『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

千里ニュータウン再開発の光景@新千里東町近隣センター(2021年6月)

千里ニュータウン新千里東町の近隣センターは、現在、再開発が進められています。2021年6月2日は、新しい近隣センターの核店舗となるスーパーマーケット「フレスコ新千里東店」がオープンし、再開発は次の段階へと進みつつあります。

近隣センター

千里中央から歩行者専用道路のもみじ橋を東に歩くと、近隣センターに到着します。

もみじ橋を渡った付近から撮影した写真。正面の手前に見える低層の建物が以前からある近隣センター。奥に見える高層の建物が分譲マンションのパークホームズ千里中央ザレジデンスで、新しい近隣センターはこの分譲マンションに1階にあります。

これまでの近隣センターにあったスーパーマーケット「青葉」前から、新しい近隣センターの方を撮影した写真。新しい近隣センターは車道の向こうにあります。

右側が新しい近隣センター、左側がこれまでの近隣センター。正面に見える高層の建物は、府営住宅の豊中新千里東住宅です。
新千里東町の特徴として、近隣センターをはじめ、小学校、中学校、幼稚園、保育所、公園など主要な施設が歩行者専用道路のネットワークで結ばれていることをあげることができます。歩行者専用道路と車道は立体交差するように計画されたため、自動車にあうことなく主要な施設に歩いて行くことができました。ところが、新しい近隣センターが歩行者専用道路のネットワークから外れた位置に移転したことで、歩行者と自動車が同じ平面で交差する状況が生まれてしまいました。それが、写真に写っているこの車道です。そのため、子どもの通学の安全をどう確保するかが議論されたようです。結果的に、車道と新しい近隣センター側の歩道の間にはガードレール(写真の黒いガードレール)が設置されることになりました。

新しい近隣センター

上に書いた通り、2021年6月2日にスーパーマーケット「フレスコ新千里東店」がオープンしました。また、電器屋、薬局、本屋、美容院などの店舗も既に営業を開始しています。

「フレスコ新千里東店」の出入口は、住区の東側の幹線道路に面した位置にあります。
千里ニュータウンは近隣住区論に基づいて開発されています。各住区の中心としてもうけられたのが近隣センターです。今回の再開発により近隣センターの位置が幹線道路沿いに移転し、さらに、「フレスコ新千里東店」の出入口も幹線道路に面してもうけられたことで、他の住区からも多くの人が「フレスコ新千里東店」に買い物に来るというように人の流れが変わるのかどうかが注目されます。

歩いている時、偶然、「ひがしまち街角広場」でスタッフをされている方にお会いしました。再開発でこの付近も随分変わったと言って、スーパーマーケットの以前にあった府営住宅の住棟について、「ここがC6、C7で、あっちがC1で・・・」と再開発前の思い出を話してくださいました。

写真は、「フレスコ新千里東店」がある場所の再開発前のものです。

これまでの近隣センター

これまでの近隣センターにあった店舗は、酒屋と「ひがしまち街角広場」を除いて、既に新しい近隣センターに移転したり、営業を終了したりしています。

酒屋は準備ができ次第、新しい近隣センターに移転。空き店舗を活用して運営してきた「ひがしまち街角広場」のみ例外的に2021年5月末以降も運営が継続されます。これは、近隣センターの再開発によって建設される公益施設に「ひがしまち街角広場」を継承するカフェが開かれる予定であり、地域の人々が日常的に訪れる場所が再開発によって途切れないよう、公益施設が完成する2022年夏頃まで運営されることが認められたからです。ただし、公益施設に今と同じ「ひがしまち街角広場」が開かれるわけでないため、「ひがしまち街角広場」自体の運営は2022年夏頃で運営を終了することになります。

これまでの近隣センターのスーパーマーケット「青葉」。再開発では、次に「青葉」が取り壊され、跡地に上に書いた公益施設が建設されることが計画されています。
これまでの近隣センターに残っている東町会館、郵便局などが完成した公益施設に移転。そして、近隣センターの残りの部分が取り壊され、分譲マンションが建設される計画となっています。

近隣センターの再開発については、こちらの記事もご覧ください。