『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

居場所ハウスの主客の関係

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写真は先日の「居場所ハウス」の様子。館長のSさんの依頼で、3人の女性が文書を封筒に入れる作業を手伝ってくださいました。
今回は事務的な作業でしたが、「居場所ハウス」では来訪者(スタッフでない人)が自分が使った食器を洗ったり、他の来訪者にお茶を入れたりすることがありますし、収穫した野菜、お茶、コーヒー、砂糖など様々なものを差し入れしてくださいます。
来訪者が単にサービスを受けるだけのお客さんではなく、(ささやかでも)運営のお手伝いをしたり、差し入れをしたりするというのが、地域の場所にとっては必要なことだと感じます。

「居場所ハウス」では現在、屋外に増築したキッチンスペース(料理ハウス)で昼食の調理・販売を行っており、スタッフはお昼の時間帯、料理ハウスにいることが多くなっています。そのためか、来訪者がお茶碗を洗ったり、他の来訪者にお茶を入れたりする光景は、料理ハウスができてからよく見かけるようになった気がします。

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もう1枚の写真は同じ日の午後の様子。スタッフも来訪者と一緒にテーブルに座って、話をしています。このようにスタッフは一方的にサービスを提供するのではなく、時には来訪者と同じ立場で過ごすことができる。これも、地域の場所にとっては必要なことです。

このブログ記事ではスタッフや来訪者という言葉を使っていますが、普段、「居場所ハウス」ではスタッフも来訪者も○○さん、□□さんという個人名で呼ばれています(「居場所ハウス」では館長という肩書きが時々使われるくらいです)。このことにも現れているように、スタッフも来訪者も同じ地域に住む人同士。たまたま、「居場所ハウス」にいる時間帯はスタッフと来訪者という立場になっているだけ。
もちろん、スタッフと来訪者とが完全に同じ立場というわけにはいきませんし、その必要もありませんが、スタッフも来訪者と同じ立場で過ごしたり、来訪者も運営の手伝いをしたりしながら、主客の関係を緩やかなものにし続けることが大切だと感じます。