2015年8月2日(日)、「居場所ハウス」でかまもち・ゆべし作り講習会を開催しました。かまもち(鎌餅)、ゆべしとも地域に伝わる食べ物。「昔はおやつによく食べた、昔は食べるものが他に何もないからね」と1人の女性が話されたように、かつては家庭で日常的に作り、食されていたものですが、近年はあまり食べなくなってきたものだとのこと。
この日の講習会は、立根町にお住まいの「食の匠」の女性が講師。参加者は16人です。
ゆべしの方が時間がかかるため、最初にゆべし作りかたスタートしました。材料は米粉と砂糖で、それを蒸し器で蒸した後、こねていくのですが、こねるのが大変な作業のようでした。固いのに加えて、熱いうちにこねないとさらに固くなってしまうとのこと。1人参加されていた男性が引っ張りだこ。こねあがったものをいくつかに等分し、棒状にし、最後は巻き簀で表面に模様をつけて完成です。
次はかまもち作りです。ご飯を煮て柔らかくしたところに、小麦粉をいれてかきまぜ、こねます。小判型にした皮にあんをのせて、2つ折にして形を整え、茹でて完成です。できあがった形が鎌に似ていることが、かまもち(鎌餅)という名前の由来。中に包んだあんには味噌、黒砂糖、クルミが入っています。かまもちを食べた時、中のあんがトロっと飛び出してくる作り方もありますが、それだと服を汚してしまうので、この日はあんは固めにしたとのこと。ご飯をまぜるのは柔らかくするためですが、「昔は余ったご飯入れてた。もったいないから」とのこと。
10時からスタートして、12時半頃、ゆべしとかまもちが完成。最後にみなで試食しました。
ゆべし、かまもちは近年ではあまり作ったり、食べたりすることが少なくなってきましたが、折に触れて作り方を伝えていくというのも「居場所ハウス」の1つの役割です。
この日の講習会ではキッチンで洗い物をしたり、自宅から巻き簀などの道具を持って来たり、できあがったゆべしを切って盛りつけたり、昼食の準備をしたりしてくださった方もいました。その場で気づいたことを臨機応変に行ってくださる裏方の支えもあり、無事、講習会を終えることができました。
また、講習会をしている時、和室では囲碁が行われていました。土間で行われていたかまもち・ゆべし作り講習会の声がうるさかったのではないかと心配しましたが、それは問題なかったとのこと。ある程度、空間にゆとりがあるからこそ、使い分けができるのかもしれません。
*後日、かまもちの話になった時に、「居場所ハウス」のある平地区では昔、「ゆでかま(茹で鎌)」と呼んでいたとお聞きしました。
(更新:2015年8月5日)