ネパール・マタティルタ(Matatirtha)村にある高齢者住宅「マタティルタ・オールデイジ・ホーム」(Matatirtha Oldage Home)のことをご紹介したことがあります。
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マタティルタは、2016年から、ワシントンDCの非営利組織・Ibashoが、プロジェクトを進めている村。後にIbashoプロジェクトのコーディネートを行うことになったソーシャル・ベンチャー「Bihani」が、村の高齢者住宅のサポートをしていたことができっかけで、プロジェクトを行うことになりました。
これまで何度か「マタティルタ・オールデイジ・ホーム」を訪問し、そこで繰り広げられる光景を目にすることで多くのことを気づかされました。以前の記事では、①出入りする人々の多様さ、②地域にない機能を補う、③入居している人もサービスの利用者ではない、の3点をあげましたが、今回の訪問でも改めてこれらの3点に気づかされました。
「マタティルタ・オールデイジ・ホーム」で進められていた増築の工事も完了し、新しい住棟への入居が始まっています。2階にのぼるためのスロープも完成。そして、中庭は住棟とスロープで囲まれたかたちとなり、「マタティルタ・オールデイジ・ホーム」の中心的な場所になっている印象を受けました。
今回、「マタティルタ・オールデイジ・ホーム」を2度訪問しましたが、2度とも中庭には多くの人の姿がありました。聞くところによると、入居している高齢の方の誕生日や命日には親族が集まり、入居している方々と一緒に食事をしたりする文化があるとのこと。写真のように入居されている高齢の方々が、若い世代の人や子どもとともに過ごしておられました。
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入居されている高齢の方もお客さんとして参加しているのではなく、テーブルを片付けたり、食器を洗ったりと役割を担っていることも印象的でした。
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日本では高齢者が地域で暮らすにはどうすればよいかが課題とされていますが、「マタティルタ・オールデイジ・ホーム」では高齢者が地域の中で暮らすことが当たり前のように実現されていることに驚かされます。