『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

パブリックな場所(POPOS)として公開されているLinkedin本社ビルのロビー@サンフランシスコ

サンフランシスコでは、建物周りのプラザ、建物内のロビー、屋上などがPOPOS(Privately Owned Public Open Space)、つまり、民有のパブリック・オープンスペースとして公開されています。
サンフランシスコに80弱あるPOPOSの中で、いつ訪れても多くの人が過ごしており、魅力的な場所になっているのが、ビジネス特化型SNSを運営するLinkedinの本社ビルのロビーです。

通りに沿った北側の細長いエリアには4人がけの四角いテーブルが8つ置かれています。テーブルが並ぶエリアに沿って段差になっており、階段状のところも座れるようになっています。階段をあがったロビーの南西側はEquator Coffeesがあり、ここにも座れる場所が並んでいます。

過ごしている人は1~2人の人が大半であること、ノートパソコンで作業したり、話をしたり、ノートパソコンの画面を見ながら打ち合わせをしている人が多いこと、20~30代くらいの若い年代の人が多いことが印象に残っています。Linkedinのスタッフと待ち合わせをしているらしき人もおり、Linkedinの来客対応の場所としても利用されているように思いました。

こうした魅力的な場所がPOPOSという仕組みを活用して民間企業によって提供されていることは、民間(私)が、豊かなパブリック(公)を実現している事例として、非常に興味深いと感じます。