千里ニュータウンの半に開発された住区(新千里北町以降に開発された、豊中市域4住区と吹田市域の竹見台・桃山台)では、歩車分離のために、近隣センター、小中学校、公園などの住区内の主な場所をつなぐ歩行者専用道路がもうけられました。歩車分離とは、歩行者が通る道と自動車が通る道を分けることで安全に歩けるようにすること。
新千里東町には、千里中央地区と千里中央公園を東西に結ぶ「こぼれび通り」と呼ばれる歩行者専用道路があります。「こぼれび通り」は道路の中に植栽帯がもうけられているという特徴があり、後に開発されたニュータウンでは、「こぼれび通り」を発展させ、より幅の広い緑道がもうけられました。この意味で、「こぼれび通り」は日本における緑道のモデルと言えます。
「こぼれび通り」は、「URの建替え事業に合わせて無電柱化と道路整備に取り組み、安心・安全で快適な通行空間の確保及び良好な都市景観の形成」*1)を図ることを目的として、2023年から整備事業が進められてきました。
2024年11月13日、先行して再整備が進められてきた千里阪急ホテルの北東付近から、東丘こども園の南西付近までの区間が開通。2024年12月18日には開通した区間に、「ひがしまち街角広場」からの樹木寄付の記念碑が設置されています。


(再整備された「こぼれび通り」)
「こぼれび通り」は、再整備による歩道部分の拡張のため、植栽帯が小さくなりました。しかし、「こぼれび通り」の南側にあるUR千里グリーンヒルズ東町の敷地に、「こぼれび通り」に沿って新たな植栽帯が新たにもうけられたことで、緑豊かな歩行者専用道路として再整備が行われました。
具体的には写真のような植栽帯となっています。UR千里グリーンヒルズ東町の再開発がまだ完成していないためフェンスが設置されていますが、フェンスの手前が「こぼれび通り」、フェンスの奥がUR千里グリーンヒルズ東町の敷地で、写真のようにフェンスをまたいで植栽帯がつながるようにもうけられていることがわかります。


(「こぼれび通り」とUR千里グリーンヒルズ東町の連続する植栽帯)
UR千里グリーンヒルズ東町の敷地には、植栽帯だけでなく、「こぼれび通り」沿いに座れる場所も整備。これによって、新たな「こぼれび通り」は細長い公園のような空間になるように思います。

(「こぼれび通り」沿いにもうけられた場所)
現在、再開発が進められているUR千里グリーンヒルズ東町の住棟は、かつての、UR新千里東町団地の3棟の高層住棟を再開発したもの。新たな住棟はほぼ完成しており、間もなく入居が始まるということです。


(UR千里グリーンヒルズ東町の住棟)
こぼれび通りの北にある東丘こども園の園舎も建て替えも進められており、木造の園舎が姿を現しつつあります。

(建設中の新園舎)
■注
- 1)豊中市「令和5年度(2023年度)都市基盤部事業概要」2023年5月