『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

UR新千里西町団地における「MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト」

都市再生機構(UR)の新千里西町団地。1966(昭和41)年に入居が始まった534戸の団地です。

この新千里西町団地と、泉北茶山台二丁団地(大阪府堺市)、リバーサイドしろきた団地(大阪府大阪市)の3団地を対象として、都市再生機構西日本支社とムジ・ネット株式会社の共同による「MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト」が行われるという発表がありました。ムジ・ネット株式会社は、無印良品事業を行う株式会社良品計画の子会社です。

会見で、独立行政法人都市再生機構西日本支社長 糟谷明人氏は「これまでURは賃貸住宅のスタンダードを作るとともに、生活者のニーズに合わせて、空室の集会場利用や介護サービスとの連携など、より住みやすい環境つくりに取り組んできた。これまでの団地を有効活用する取り組みとして、ムジ・ネットと住まいの新たなスタンダードを作って行きたい。これはリノベーション市場でも新たな動きになっていくだろう」と語った。
また、ムジ・ネット専務取締役 田鎖郁夫氏は「賃貸という住まい方は、若い人の多くに支持されている。今回、これまで長きに渡り賃貸住宅を手がけてきたURと連携し、9年前から「無印良品の家」を手がけてきた経験と、ムジ・ネット会員55万人のご意見を参考に、借りて住む中の豊かさ、古くても良いものを大切に住みつなぐことで、豊かな空間を生み出せるという提案をしていきたい」と語った。
*「「MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト」が発足」・『SUUMO ニュース』2012年6月29日

既に公開されている「団地リノベーションプロジェクト」のウェブサイトには色々な意見が寄せられており、これらの意見もふまえたプランが策定されるとのこと。2012年秋以降に5プランのリノベーションモデルを実際の住宅で見学できる予定のようです(リノベーションされた住戸の様子はこちらをご覧ください)。

近年、千里ニュータウンでは団地の建て替えが急速に進んでいますが、他の地域では意欲的な試みも始まっています。

団地を再生する方法は決して建て替えだけではありません。
今回の「MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト」によって、戦後に開発された団地がどのようなかたちで蘇るのか非常に楽しみです。そして、このプロジェクトをきっかけとして、他の団地でも多様な試みが行われるようになればと思います。

(更新:2019年1月13日)