『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

まち開きから50周年を迎える新千里東町

千里ニュータウンの新千里東町は1966(昭和41)年にまち開き。今年、2016年はまち開きから50年目にあたります。

府営新千里東住宅は現在、建替が進められています。既に高層棟が何棟か完成しており、建替前の様子は南側の囲みの一部で伺えるだけになりました。

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UR新千里東町団地の中層棟ではMUJI×UR団地リノベーションが進められており、いくつかのモデルルームが完成しています。また、外観の再塗装が進められています。なお、3棟ある高層棟は建て替えが計画されているとのこと。

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新千里東町近隣センターのオープンは1966(昭和41)年5月。この近隣センターは店舗がコの字型に配置され、コの字の外周を買い物客らが歩くという特徴的な配置となっています。また、市場ではなく当初からスーパーマーケットが運営していました。当時の新聞記事には、新千里東町近隣センターが次のように紹介されています。

新開店の「ニッショー」 東町
生鮮食品には絶対に強いと評判の高いスーパー「ニッショー」が五月二十九日、千里ニュータウンの東町(豊中市)近隣センターに店開きしました。同店は服部(阪急沿線)に本拠を構え、この千里ニュータウンに続いて池田市にも新店舗を建設中ですが、あくまでも生鮮食品を主力としたスーパーとしてニュータウン市民の台所をまかなっていくという方針が打立てられており今後によせられている期待も非常に大きいようです。
すなわちこの千里ニュータウンは一番最初にできたピーコックをはじめグリーンストア、オアシスに続き、このニッショーの大資本による四スーパーと藤白台マーケット、北町市場など強力な商人によって運営されている近隣センターが、よい意味での競争を行ないながら日常消費生活の向上、物価の値下げに向かってすすんできているわけですが、とくにこのニッショーでは、生鮮食品にその目標を大きくしぼり、値下げの実施をしている点が大きな特徴といえましょう。

盛大に祝賀会
二十九日の開店当日は、雨にもかかわらず多くの新入居者が転入 同店ではこれら新住民のために超特価販売、粗品進呈、魅力ある商品を山積みしての大サービス、非常な好評を博していまいた。なおこの日は、午前十時より開発センター二階の集会場で府・市関係者が多数出席のもと、開店祝賀パーティーが盛大に行なわれました。
*「生鮮食品が好評」・『ニュータウン』第28号 昭和41年6月5日

電柱なくスマート
この住区の大きな特徴といわれている点は、街灯が電柱の役目を果たし、高層ビルのそばにニョキニョキと見苦しい電柱が一本も建てられないことです。はじめは全部地下ケーブルにする予定だったのですが経費の点で前記のようになったわけですがそれでも外観は他住区に比べずっとスマートになるわけです。
またスーパー・ニッショーと商店街がしっかり手を結び、売出し、宣伝ほかいろいろな企画に共同歩調をそろえている点も大きく注目されましょう。

先生だけで入学式
美しく「コの字」型に並んだ東町近隣センター、消費者専用の駐車場が設けられているのもここだけです。目下のところ交通はちょっと不便ですが、ニュータウン全域から顧客をあつめ、中央部にある近隣センターとしてその意気を大いに高めようと商人が一致団結大いにハリキッているわけです。
この四月先生だけで入学式を行なった東丘小学校も児童数は日に日にふえてきました。豊中市域内ではあとK(南町)L(西町)の二住区が残されているわけですが、その先駆者として北町とともに住民、商人ともよいお手本を示してもらいたいものです。
*「入居から一ヵ月 新千里東町」・『ニュータウン』第29号 昭和41年6月26日

ディスカバー千里では、東町商店会の50周年として、近隣センターの空き店舗に「大きな本」を掲示しています。展示しているのは新千里東町に関する『都市の歩き方:千里』『こどもたちにとってのひがしまち』『大きな本 新千里東町編』の3冊。今後、近隣センターの昔の写真などが掲載された新たな展示を計画しています。

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近隣センターで運営しているコミュニティ・カフェは「ひがしまち街角広場」2001年9月30日のオープン。今年でオープン15周年を迎えます。今秋にはオープン15周年記念行事を開催することを予定しており、ディスカバー千里もこれに協力したいと考えています。