『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

千里ニュータウン新千里東町

久し振りに、千里ニュータウンの新千里東町(大阪府豊中市)を歩きました。中層の集合住宅が高層マンションに建て替わったり、それに伴って人通り(特に、小さな子連れの人)が増えたりと、この町は刻々と変化しています。特徴的な2つの中庭のあった府営新千里東住宅も、北側の中庭は一部を残して既に高層の住棟や分譲マンションに建て替わっています。南側の中庭部分は、北半分の住棟は既に転居が完了し、取り壊しの工事が進められていました。

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そんな中、近隣センター周辺は以前と変わりありません。2階建ての店舗付き住宅がコの字型に配置され、周りを広場と歩行者専用道が取りまくゆったりとした雰囲気。車が通らない近隣センターのアーケードや広場では、子どもたちが遊んでいました。新千里東町で育ったある方は、「小学、中学、保育園に囲まれた近隣センターの風景が私にとって東町なんです」と話されていました。

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この近隣センターに「ひがしまち街角広場」というコミュニティ・カフェがあります。2001年9月30日にオープンして以来、住民がボランティアで運営し続けており、今や新千里東町には欠かすことができない場所。運営日時は祝日を除く月曜日から土曜の11〜16時まで。立ち上げ時の半年間のみ行政から補助を受けましたが、その後は飲物の「お気持ち料」で家賃も光熱費も払い、運営されています。
代表者も変わりましたし、場所も移転しましたが、「ひがしまち街角広場」の雰囲気は以前と変わりません。この日、「ひがしまち街角広場」で過ごしていた短い時間の間にもひっきりなしに人の出入りがあり、テーブルを越えて話をする人、ノートを取り出して打ち合わせ(?)をする人、1人で新聞を読む人など、それぞれが思い思いに過ごしていました。今日も、子どもが水を飲みに立ち寄る微笑ましい光景を目にすることができました。
ボランティアのスタッフと来訪者とが、サービスする方とされる方に完全に別れてないのも変わりません。スタッフは余裕がある時はテーブルに座って一緒に話をしていましたし、来訪者も飲み終えたカップは自分でカウンターまで運んでいました(ただし、「ひがしまち街角広場」ではカウンター内に来訪者が入らない点が、大船渡の「居場所ハウス」との違いです。もちろん、どちらが良い悪いというわけではありませんが)。

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「ひがしまち街角広場」に来ると「帰って来たなぁ」と感じます。