『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

新千里東町近隣センターとひがしまち街角広場

千里ニュータウンの住区は近隣住区論にもとづいて計画されており、その中心的な位置にあるのが近隣センターです。近隣センターには、住区の人々が歩いて買物に行けるようにと日用品を扱うお店や郵便局、市場やスーパーマーケットがあります。まちびらき当初には銭湯もありました。

しかし、自家用車の普及に伴って、近隣センターではなく郊外の大型店へ買物に行くなどのライフスタイルの変化もあり、近年では近隣センターに空店舗が目立っています。しかし、この先のことを考えれば、高齢になっても(車に乗れなくなっても)生活しやすいこと、車に安全を脅かされることなく子育てできることが、町の価値として評価されるようになってくると思われます。そうした町の中心になるが、住区の人々が歩いていける距離にある近隣センターです。
後の時代からは、20世紀後半は生活における自家用車の影響が大きかった特異な時代と振り返られることになるかもしれません…

新千里東町近隣センターの今後を考える集まりに向けて、近隣センターを紹介する「大きな本」(ページ2枚の屏風型のもの)を作りました。現在、近隣センターがどのような役割を担っているかを確認し、今後のあり方を考えていくためのきっかけにするのが目的です。「大きな本」には近隣センターへの意見、店舗の変遷、そして、近隣センターの写真などを掲載しました。写真は一緒に活動しているOさんが撮影されたもの。近隣センターは子どもの遊び場であったり、買物など日常生活の場であったり、ちょっとした休憩の場であったり、イベントの場であったりと、(空店舗があるとはいえ)今でも様々な役割を担っていることがわかります。

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もう1つ、新千里東町近隣センターの空店舗を活用して運営されている「ひがしまち街角広場」を紹介する「大きな本」も作りました。新千里東町が国の「歩いて暮らせるまちづくり事業」のモデル地区に指定されたことがきっかけとなり、2001年9月30日にオープン。豊中市による半年間の社会実験の後は、住民ボランティアによって自主的に運営が継続されてきました。オープン以来、気軽に立ち寄れる場として、子どもと大人が触れ合う場として、地域活動の拠点として、新千里東町のコミュニティの中心的な役割を果たしています。このような場所を新千里東町の中でどう受け継いでいくのか? 地域で考えていかねばならない課題です。

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この他に、新千里東町近隣センターへの住民の意見を掲載した「大きな本」も作成しています。今後の地域のあり方を考えるためのメディアとして、「大きな本」は活躍しています。

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