『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

居場所ハウスのひな祭り

朝市が行われた2015年2月21日(土)の午後はキッズデーが行われました。キッズデーは「デジタル公民館まっさき」の主催で毎月行われている行事で、2月はひな祭りを行いました。

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最初に子どもと一緒に段飾りのひな人形を飾りました。家にもひな人形があるけど、こんなに大きなものでないという女の子。スタッフと一緒になって、並べ方の写真を参考にしながら、人形を飾っていました。

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次に、高齢の方(80代の方)からひな祭りの思い出を聞かせてもらいました。高田人形と呼ばれる土製の人形を展示のために貸してくださった女性からは、「高等小学校の2年〔今の中学2年〕まで、毎年、1つずつ土人形を買ってもらっていた」という話。そして、何十年も飾っていなかった土人形をみなさんに見てもらえて、お雛さんも喜んでると思いますという話をしてくださいました。
もう1人の女性からは、段飾りのひな人形について話してくださいました。自分が子どもの時は女の子が正しく、美しく、優しく育つようにひな祭りをお祝いしたという話。また、テレビの番組でお内裏様・お雛様を飾るのは江戸時代から始まった行事で、天皇・皇后両陛下を表すという説もあること、ひな人形は年に2回飾っていいと放映されていたという話を聞かせていただきました。1年のうち2度目にひな人形を飾れるのは旧暦の9月9日で、今年は10月21日になるとのことです。

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段飾りのひな人形を一緒に飾ったり、昔のひな祭りの思い出を聞いたりしたことが、子どもにとって良い体験になっていればと思います。キッズデーに参加された方は「大人がひな人形を箱から取り出したけど、子どもが主役だから、子どもたちに箱から取り出してもらったらよかった、大人はもう少し見守るという感じがよかったかな」という話もされていましたが、参加した子どもが大きくなった時、「子どもの頃、「居場所ハウス」でひな人形を飾ったなぁ、土人形の話を聞いたなぁ」と思い返してもらえたらと思います。

キッズデーのひな祭りは和室で行いましたが、この時間帯、土間にも多くの大人が過ごしていました。ひな祭りの思い出を聞かせてもらっている時、土間でも色々な話が飛びかっており、少し思い出が聞きにくかったかもしれません。
訪れた人が思い思いに過ごせるのが「居場所ハウス」のよいところです。そうは言っても、「居場所ハウス」内は扉で仕切れるわけではないため、周りのことを考えず好き勝手に振る舞うのではなく、周りに目を配りながら自由に過ごすという配慮は必要です。もちろん、みなが物音を立てずにし〜んと静まりかえるというのも窮屈ですが。このあたりのバランスをとることが課題ではないかと、キッズデーに参加された方が話しておられました。

もう10年ほど前の話になりますが、東京都でコミュニティ・カフェを開いている方から、次のような「空気がまわる」という話をお聞きしたことがあります。

「空気がまわるっていうのは、例えば、ここで話をしてると、他の人は聞くつもりが全くなくても、大きな声で喋ったりはしないですね。ちょっと大切なお話をしてるみたいという気配を感じると、それに合わせて静かになってくれるみたいな、そういうところがあるのね。」

「居場所ハウス」にもこのような「空気がまわる」時間帯があればと思います。