『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

子どもたちが大人の世界を垣間見ること

5月17日(火)のお昼過ぎ、「居場所ハウス」に末崎中学校の女の子3人が来てくれました。昨日、今日と末崎中学校は授業参観、運動会の振替休日。3人は勉強をしに来たとのことでした。

この日、13時半からは歌声喫茶が行われることになっていました。歌声喫茶は、地域住民の有志によって2015年2月から毎月欠かさず続けられています。
やって来た女の子に、「昼から歌声喫茶でうるさくなるから、勉強に集中できないよ。○○の方が静かだと思うよ」とメンバーが声をかけましたが、「静かな所の方が集中できない」と女の子。うるさくても大丈夫だということで、土間のテーブルで勉強を始めました。

13時半からは予定通り歌声喫茶がスタート。この日の参加者は12人。歌声喫茶の参加者は少しずつ増えているようで、今日初めて参加したという方もいました。
写真のように土間部分の手前のテーブルでは女性たちが話をし、奥のテーブルでは子どもたちが勉強。そして、和室では歌声喫茶。多世代の人々が居合わせる光景を見たメンバーの1人が、「本当に居場所みたいだなぁ」と喜んでいました。

女の子たちはアイスクリームを食べたり、コーヒーを飲んだりしながら勉強をしていました。勉強が終わり、1人が帰った後、残った2人は土間にあがって歌声喫茶の様子を覗き込んでいました。
参加者が「好きな曲を言って」と曲目リストを渡したところ、女の子たちが選んだのは「潮騒のメモリー」。歌声喫茶の参加者たちは、2人が歌うのを聞き、歌い終えた後はみな拍手。女の子たちが歌ったのは1曲だけでしたが、歌い終えた後も歌声喫茶の様子を覗き込んでいました。

子どもたちを対象とするイベントというと、主役である子どもたちを中心としてイベントが進行します。けれども、この日の歌声喫茶の主役は大人たち。子どもは主役ではありませんでしたが(ゲストとして少し参加しただけでしたが)、だからこそ、子どもたちは地域の大人たちの世界を垣間見ることができたのだとも言えます。この様子を見ていて、子どもたちにとっては、このような機会も意味あることなのだろうなと感じました。

なお、この日もメンバーのKさんが「居場所ハウス」の農園からほうれん草、山東菜などを収穫して来てくださいました。歌声喫茶の参加者たちは、「居場所ハウス」の前で販売していた野菜を買って帰ってくださいました。

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