『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

餃子作りを通した国際交流@居場所ハウス

2017年3月26日(月)、「居場所ハウス」にて餃子作りを通した交流会を開催しました。餃子作りを教えてくださったのは、末崎町内の水産関係の会社に研修に来られている中国の方、7人。
7人は、先月「居場所ハウス」で開催したひな祭りのお茶会に参加するなど、何度か「居場所ハウス」にも顔を出してくださっています。

餃子作りを企画したのは末崎町内にお住まいの高校生のSさん。「中国から来ている技能実習生の方に、日本の生活を楽しんでもらうために企画しました。餃子を作るだけじゃなくて、話をして、コミュニケーションを図ってください」というSさんの挨拶の後、餃子作りが始まりました。


最初に皮作り。薄力粉に水(少しぬるいお湯)をいれてこねていきます。薄力粉に対する水の量は何グラムと決まっておらず、その日の湿度に応じて調整するとのこと。こねあがった生地は30分くらい寝かせます。
次に具作り。この日作った餃子は2種類。1種類は豚肉、白菜、ネギ、ニンニク、ショウガの餃子。もう1種類はエビ、ニラ、いり玉子の餃子。いずれも細かく切った具材を混ぜ合わせた後、具自体に醤油、塩、サラダ油で味付け。餃子はタレをつけて食べるイメージがありましたが、具自体に味がついているためタレ無しで食べるのだとのこと。
中国の方が包丁を使って野菜をみじん切りにするのを見て、参加者からは感嘆の声。機械で切ってるようだという人もいました。

具ができた後、生地から丸い皮を作っていきます。
ここからは、みなが参加。こねた生地を棒状にのばし、包丁を使って一口大に切り分けます。切り分けたものを手で押して丸くした後、麺棒で伸ばして円形に。皮を左手で回しながら、右手で麺棒を使うのがポイントのようですが、教えてもらったように両手を使うのは難しかったようです。丸く伸ばした皮に具をつめます。茹でる時に中身が出てくるのできっちり包む必要があるようで、これは良い、これは悪いなどとアドバイスを受けながら具を包んでいきました。

包みあがった具は、沸騰したお湯にいれて茹でていきます。この間、中国の家庭で食べるというトマトと玉子を使ったスープも作っていただきました。
12:40頃から作りたての餃子、スープをみなで試食。試食の後、出身地を地図で教えてもらったり、中国の歌を紹介してもらったりしながら交流の時間を過ごしました。

最後に「今日だけでなく、この場所を利用してこれからも交流を続けることができたらと思います」というSさんの挨拶でこの日の交流会を終えました。
「居場所ハウス」では夏に納涼盆踊りを開催していますが、中国の方には浴衣を着て参加してもらうなどの話も出ています。


「居場所ハウス」は2013年6月のオープン以来、多くの活動を行ってきましたが、この日の餃子作りを通した交流会は次の2つの点で新たな試みとなりました。
「居場所ハウス」は地域住民(高齢者・大人)が中心となって活動の企画を行ってきましたが、町内の高校生が企画した活動であること。高校生が企画する活動を、地域の高齢者・大人が後ろから支えるという世代をこえた関係をもつことができたと思います。

もう1つは、町内に住む海外の方との関わりの機会をもてたこと。「居場所ハウス」にはこれまでも海外から多くの方が来てくださいましたが、町内で生活する海外の方との交流会は初めてでした。みな水産関係の会社に中国からの技能実習生が来ていることは知っていますが、知っているだけで実際に関わる機会はありませんでした。今回、具体的な顔の見える相手として関わりの機会を持てたことは、今後にもつながることだと考えています。