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Ibashoフィリピン:これまでの活動を振り返り、今後の活動を考える集まり

2017年7月29日(土)、フィリピン・オルモック市のバゴング・ブハイ(Barangay Bagong Buhay)にて、Ibashoフィリピンのメンバーらとこれまでの活動を振り返り、今後の活動を考えるための集まりを開きました。

Ibashoフィリピンの活動の歩み

初めにIbashoフィリピンのローカル・コーディネーターのIさんが、写真を使いながらこれまでの歩みを紹介。Ibashoフィリピンは、2014年4月、HelpAge/COSEのコーディネートで、ワシントンDCのIbashoのメンバーらが地区を訪問したことがきっかけとなり、2015年1月から活動をスタートさせました。Iさんは、活動のスタートから現在までの活動が紹介されました。

大船渡の「居場所ハウス」、Ibashoネパールの活動紹介

Ibashoフィリピンの今後の活動の参考にしてもらうため、ワシントンDCのIbashoのKさんが、日本の大船渡市の「居場所ハウス」と、Ibashoネパールの活動を写真で紹介しました。Ibashoネパールの活動を紹介したのは初めてであり、参加された方からは、コンポスト(堆肥作り)を自分たちでもやってみたいという意見が出されました。

ソーシャル・キャピタルに関するアンケート調査の結果の報告

Ibashoフィリピンが活動を行っていくにあたって、地区の状況を知ってもらうという意味も込めて、Sさんから、2015年10~12月に行ったソーシャル・キャピタルに関するアンケート調査の結果概要の報告。

調査はバゴング・ブハイの60歳以上の高齢者を対象としたもので、回答者は男性81人、女性141人の計224人。Ibashoフィリピンのメンバーらの協力を受け、地区内のほとんどの高齢者に回答してもらうことができました。アンケート調査の結果として、以下のような報告が行われました。

  • 回答者の属性などの基本情報について:最も多い年齢は65歳。2013年の台風ヨランダ前からバゴング・ブハイで暮らしている人がほとんどで、21~30年間住んでいる人が最も多い。学歴は小学校卒の人が多い
  • 回答者の家族について:直近の血縁関係の家族(Immediate Family)と住んでいる人が多い。回答者も含めた同居家族の人数は3~6人。個人で所有している土地に住んでいる人が多い
  • 回答者の健康状態について:約3分の1の回答者が、程度の違いはあれ何らかの精神的なストレスを抱えている。食事をする、歩く、お風呂に入るなどの「日常生活動作」(Activities of Daily Living=ADL)、買い物をする、料理をする、薬の管理をするなどの「手段的日常生活動作」(Instrumental Activities of Daily Living=IADL)はほとんどの人ができる。ただし、車の運転を除く
  • 回答者の暮らし・生計について:主な収入は年金という人が最も多い。ほとんどの回答者の家が台風ヨランダで何らかの影響を受けている
  • Ibashoフィリピンの活動について:何らかの活動に参加している回答者は約半数。参加するきっかけとして、友人に勧められたから、をあげている人が最も多い。参加した時期はリサイクルが始まった2015年2月、農園が始まった2015年5月の順に多い。Ibashoの活動を通して2~9人の新たな友人ができたという人が最も多い
  • バゴング・ブハイ内での社会的関係について:困った時に助けを求めることができる地区内の人は親戚、近所の人、友人、バランガイの職員の順に多い。ほとんどの人が程度の差はあれ自身の家族、地区(バランガイ)に何らかの貢献をしていると感じている

自分たちが住んでいる地区についての調査結果だったからだと思いますが、メモを取りながら聞いてくださっている方もいました。

Ibashoフィリピンの今後の活動についての意見交換

昼食を挟んで、午後からはIbashoフィリピンのこれからの活動について意見交換をしました。
参加された方に、Ibashoフィリピンでこれから取り組みたい活動を上げてもらいました。あげられたのは10種類ほどの活動。この中から、高齢者の知識や技術を若い世代や子どもに伝えることができる、Ibashoフィリピンの活動のための収入を得ることができる(Livelihood Projects)という点を考慮して、当面取り組む活動を絞ってもらいました。当面取り組む活動とされたのは、①ペットボトルのリサイクル、②農園での野菜作り、③アップルパイ、ココナッツパイ(ブコパイ)、エッグパイ作り、④石鹸作り、⑤編み物作りの、5つでした。

このうち、①ペットボトルのリサイクル、②農園での野菜作りは今までに取り組んできた活動ですが、農園についてはIbashoネパールも参考にしてコンポスト(堆肥作り)も始めたいという意見が出されました。
③アップルパイ、ココナッツパイ(ブコパイ)、エッグパイ作りは先日、ペンキ塗りをしたフィーディング・センターを活用できる活動。

④石鹸作り、⑤編み物作りも新たな活動ですが、Ibashoフィリピンのメンバーは以前からこの2つの活動を行うことを話し合っており、先日の午後、作り方の講習会が行われました。石鹸は苛性ソーダ、ココナッツオイル、水が主な原料。それに香りや色をつけるためのものを混ぜて作りますが、先日の講習会では人参が使われていました。編み物については、Ibashoフィリピンのメンバーの中で、編み物が得意な女性が見本として靴下、大小の小物入れなどを持参し、作り方を教えておられました。

Ibashoが目指すのは、何歳になっても地域の一員として、自分にできる役割を担いながら地域に住み続けることができること。Ibashoフィリピンでは、自分たちでできる活動が徐々に展開されています。