『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

秋の居場所っこクラブ@居場所ハウス

先日(2017年10月28日(土))、「居場所ハウス」にて「秋の居場所っこクラブ」を開催しました。焼き芋と、「居場所ハウス」の看板の下絵作りを行い、末崎小学校の学童に通う子どもを含めて、19人の子どもたちが参加してくれました。

「秋の居場所っこクラブ」のお世話をしたのは「わらしっ子見守り広場」(わらしっ子見守り隊)の10人の女性。「わらしっ子見守り広場」は元々、「居場所ハウス」にて子どもの一時預かりをするために立ち上げられたグループで、現役時代に教員をしていた女性がメンバーの中心。末崎小学校には学童保育があり、また、末崎保育園では待機児童はいないため、「居場所ハウス」での一時預かりは振替休日の月曜、学校行事等による臨時休校日、土曜日に限定して受け付けていましたが、(祖父母と同居している子どもが多いためか)一時預かりの依頼はほとんどありませんでした。
「わらしっ子見守り広場」の出番がないのは残念ですが、一時預かりの依頼がない(学童、保育園、そして家庭内で子どもの見守りができている)のはよいことかもしれません。ただ、せっかくグループを立ち上げ、メンバーも集まっているのだから「わらしっ子見守り広場」で何か積極的な活動もしてみたいね。メンバーがこのような話をして、今年の夏、初めての試みとして「夏休み居場所っこクラブ」を開催。夏休みの宿題をしたり、昔の遊びをしたりする時間をもうけました。今日の「秋の居場所っこクラブ」はその第二弾として開催したものです。当初の予定では収穫したキュウリをみなで食べるという話でしたが、時期的なこともあり焼き芋をすることになりました。

先日、「わらしっ子見守り広場」のメンバーは9時に集合することになっていましたが、それより早い時間にやって来て準備をされた方もおられたようです。
メンバーはサツマイモを洗い、濡れた新聞紙とアルミホイルで包んだ後、牛乳パックに入れて焼き芋の準備をすすめていきます。途中からは、早く到着した子どもたちにも手伝ってもらいました。いつも駐車場として使っている下の敷地では、「居場所ハウス」のメンバーがドラム缶で火を焚く準備。

10時から「秋の居場所っこクラブ」がスタート。挨拶、説明が終わり、子どもたちはサツマイモの入った牛乳パックを手に取り、下の敷地へ移動。ドラム缶は熱いから触らないようにと注意を受けた後、順番に牛乳パックをドラム缶に入れていきました。
サツマイモが焼きあがるのを待つ間、子どもたちには「居場所ハウス」の看板のための下絵を描いてもらいました。下絵を描く作業は、共生地域創造財団のスタッフの方にご協力いただきました。今日描いてもらった下絵を参考にしながら、「居場所ハウス」の看板として完成させる予定です。

子どもたちが看板の下絵を描いている間、大人たちはジャガイモ、菊芋、アピオス、ヤーコンなども焼く準備をし、順番にドラム缶で焼いていきました。

11時20頃から、表に座って焼き芋を食べました。「わらしっ子見守り広場」のメンバー、迎えに来た母・祖母らに見守られながら、子どもたちは美味しそうに焼き芋を食べていました。

11時45分頃、最後の挨拶をして解散。火傷も怪我もなく、無事に「秋の居場所っこクラブ」を終えることができました。

現在の暮らしでは、子どもたちが火に触れる機会はほとんどありません。今日参加した子どもたちは焼き芋をしたことも、食べたこともないという様子。そのような子どもたちに焼き芋を経験してもらう機会を作れたこと、その機会を地域の大人たち(世間的には高齢者と呼ばれる世代の人々)が協力して作り上げたこと。このような意味で良い時間であったと感じます。

ただし、先日の「秋の居場所っこクラブ」は大人たちが、一方的に子どもたちのために活動するだけの時間でなかったことも重要です。地域の大人たちが協力して、子どもたちのために活動したことは大切なことですが、この過程で、大人たちも楽しんでいたということも大切なことだと思います。
大人たちはドラム缶の周りに集まり、火の番をしながら話をしたり、芋が焼きあがったかどうかの味見をしたり。味見をしながら、1人で家で食べてたら美味しくなけど、こうやって炭で焼いて、みなで食べるから美味しいねという声も。

誰かのためになれること、しかもその過程が自身にとっても楽しめること。このことが人を生き生きとさせ、充実感を与える。大人たちの姿を見ていて、このようなことを感じました。