2022年3月25日、アメリカ疾病予防管理センター（Centers for Disease Control and Prevention：CDC）がマスク着用のガイダンスを更新しました。
更新されたガイダンスでは、郡（County）単位での3段階の新型コロナウイルスの感染レベル（COVID-19 Community Level）のうち、感染レベルが「低」「中」の郡では原則として屋内でのマスク着用が求めないという内容になっています）。
低
- 個人のリスクレベルに応じて、個人の好み（preference）によりマスクを着用する。
中
- 免疫不全の人、または、重症化するリスクの高い人は、公共の屋内（indoors in public）におけるマスクや人工呼吸器の着用などの予防策について医療機関（healthcare provider）に相談する。
- 重症化するリスクの高い人と同居していたり、社会的に接触している場合は、接触する前に検査したり、屋内で一緒に過ごす時はマスクを着用したりすることを考慮（consider）する。
高い
- ワクチンの接種状況や個人の重症化リスクに関わらず、公共の屋内（indoors in public）ではよくフィットするマスク（well-fitting mask）を着用する（幼稚園から高校までの学校やその他の公共施設を含む）。
- 疫不全の人、または、重症化するリスクの高い人は、より保護性能の高いマスクや人工呼吸器を着用する。
※アメリカ疾病予防管理センター（CDC）の「Use and Care of Masks」February 25, 2022更新のページに記載内容の翻訳
マスク着用ガイダンスで言及されている新型コロナウイルスの感染レベル（COVID-19 Community Level）とは、郡（County）でどのような予防対策を講じるべきかを判断するためのツールで、病院のベッドの使用状況、入院患者数、新たな陽性者の総数に基づいて*1）、「低」「中」「高」の3段階として決定されるもので、アメリカ疾病予防管理センター（CDC）のページでは任意の郡の感染レベルを確認することができるようになっています*2）。
アメリカ疾病予防管理センター（CDC）は、ガイダンス更新時点で全米の郡の約70％（人口の72％が居住する郡）が「低」、「中」であると発表。その後、2020年3月3日時点では全米の郡の約85.4％（人口の93％が居住する郡）が「低」、「中」、2020年3月10日時点では全米の郡の約94％（人口の98％が居住する郡）が「低」、「中」であると発表しています*3）。
このようにアメリカでは、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大してからほぼ2年ぶりに、ほとんどの地域において、公共の屋内でもマスク着用が不要という状況になりました。
ただし、公共交通機関では引き続きマスク着用が求められるのに加えて*4）、独自に入店時のマスク着用を求める店舗もあります。
ガイダンスが更新された数日後の2022年2月27〜28日に、ニューヨーク州にお住まいの知り合いと話をする機会があり、マスク着用を求める店舗や建物があるため外出時にはまだマスクは手放せない、自らは高齢のためマスク着用が求められていなくても、公共の屋内ではマスクを着用するようにしているという話を伺いました。
■注
- 1）具体的には、病院のベッドのうち新型コロナウイルス感染症の患者が占める割合（直近7日間の平均）、人口10万人当たりの新型コロナウイルス感染症による新規入院患者数（直近7日間の平均）、人口10万人当たりの新型コロナウイルス感染症の新規感染者数（直近7日間の平均）によって算出されている。アメリカ疾病予防管理センター（CDC）の「Know Your COVID-19 Community Level」の「About These Data」より。
- 2）アメリカ疾病予防管理センター（CDC）の「Know Your COVID-19 Community Level」のページより。
- 3）「米、人口の98％が屋内マスク着用不要に 感染減少で」・『REUTERS』2022年3月10日より。
- 4）飛行機、バス、電車などの公共交通機関の乗車中、及び、空港、鉄道駅、バス停内など（transportation hub）内にいる際は、引き続きマスク着用が義務付けられている。アメリカ疾病予防管理センター（CDC）の「Requirement for Face Masks on Public Transportation Conveyances and at Transportation Hubs」February 25, 2022更新のページより。
（更新：2022年3月11日）
