2019年5月26日(月)、千里ニュータウンプラザで開講された吹田市観光講座に参加しました。講師は「ディスカバー千里」共同代表のOさんです。
この日の講座は、吹田歴史文化まちづくり協会の主催、吹田市の共催による第9回吹田市観光講座の第1回目として開講されたもので、受講生は定員の40名を越える44名だったようです。
吹田歴史文化まちづくり協会は吹田市南高浜町にある「浜屋敷」(吹田歴史文化まちづくりセンター)を拠点とするNPO法人。近年では海外から浜屋敷を訪れる人も増えているようです。吹田歴史文化まちづくり協会では、浜屋敷の①「観覧事業」、②「貸館事業」、浜屋敷などで各種講座、狂言、落語、音楽など年に50〜60ほどのイベントを行う③「企画イベント事業」、④「まち案内人事業」の4事業が行われています。
4つ目の吹田まち案内人とは、まち歩きの案内を引き受けるボランティアガイド組織。吹田市観光講座の受講生に対して、吹田まち案内人として登録して欲しいという呼びかけが行われました。
この日の講座では、Oさんから「暮らしの場から千里ニュータウンの変容を見つめる」と題して次のような内容が紹介されました。
- 世界のニュータウンの流れと千里山、千里ニュータウン
- 千里ニュータウンの計画の特徴
- 2000年頃からの団地の建替え
- 2000年頃からのコミュニティ活動の流れと最近の動き
最後に千里ニュータウンがこれから考えていくべきこととして、次の3つの問題提起が行われました。
- 子育てを終えた母親や、リタイアした人などにとって、身近に働ける場所をどう実現するか?
- 千里中央にいくつかあったホールや千里セルシーなどが取り壊されたが、これからの千里ニュータウンの文化をどう考えていくか?
- 近年の団地の建替で若い人が増えているが、今から20〜30年後にはまた急激な高齢化が予想される。絶えず新しい人を受け入れるニュータウンをどうやって実現するか?
1時間ほどの講演の後、質疑応答。会場からは、千里ニュータウンは前半と後半に開発された住区で特徴が異なるのはなぜか? 高齢化した戸建て住宅地のこれからのあり方は? 既存の自治会と新しく生まれたNPO法人との好ましい関係は? 千里ニュータウンや吹田市における身近な仕事場をどう考えたらよいか? などの質問が出されました。
いずれも興味深いやり取りが行われましたが、特に「千里ニュータウンの再生における「民活」(民間活力の導入)において、「民」とは建築業者のことだけでなく、住民の「民」でもある」という意見が印象に残りました。
千里ニュータウンプラザのある南千里周辺の光景も大きく変わりました。
かつて駅の北西には、UR千里竹見台団地の高層のスターハウス3棟が建っていましたが、1棟はすでに取り壊されています。耐震補強を行い、ランドマークとして残される1棟は、別の色に塗装されています。また、駅の東側には広場ができていました。