『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

第1回新千里北町 車止め街歩きツアーのご案内(2017年11月25日)

来週(2017年11月25日(土))、「第1回新千里北町 車止め街歩きツアー」を開催します(現在、参加申込を受付中です)。

千里ニュータウンの12住区の中で、唯一、新千里北町にはリス、ゾウ、キリンなどの動物や、○▽□などの幾何学の形をした車止めが50個以上配置されるなど、ユニークな街並みを形成しています。なぜ、新千里北町にだけ車止めが多いのか?
ディスカバー千里(千里ニュータウン研究・情報センター)による調査を通して、車止めは千里ニュータウンの成り立ちと密接に結びついていることが明らかになってきました。

ニュータウン開発の基本には「近隣住区論」と呼ばれる理論があります。この理論の1つの柱が、歩行者を自動車から守る歩車分離という考え方。
近隣住区論は、アメリカから輸入されたものですが、日本で最初のニュータウンである千里においては、近隣住区論を日本なりの形でどう実現するかが模索されました。
歩車分離のための方法としてクルドサック(袋小路)がしばしば紹介されますが、新千里北町の車止めは、クルドサックより高密・効率的に戸建て住宅地を開発するための手法だったのではないか。ディスカバー千里の調査を通して浮かび上がってきたことです。
車止めは子どもたちの遊び場所になったり、待ち合わせ場所になったりと親しまれてきましたが、ニュータウン開発という大きな枠組みにおいてはささやかなものであるため、ニュータウン開発の文脈では注目されることがなく、忘れ去られてきました。道路工事や集合住宅の建替えによって、既に撤去された車止めもあるということです。
ディスカバー千里による今回のツアーは、忘れ去られていた車止めを再発見する(ディスカバー)試みでもあります。

新千里北町は、車止めの他にも、千里ニュータウンで初めて歩行者専用道路が住区を巡回するようにもうけられたり、公園にランドスケープの考え方が取り入られたりするなど新たな試みが行われています。
千里ニュータウンは当初、「一団地の住宅経営」という、団地を作るための法律です。しかし、新千里北町からは「新住宅市街地開発法」(新住法)に切り替えての開発が行われることになりました。新千里北町は、日本で初めて「新住宅市街地開発法」が適用されたの町。
今回の車止めツアーは、日本におけるニュータウン開発の歴史において非常に興味深い町を巡るツアーです。

第1回新千里北町 車止め街歩きツアー

  • プログラム:第1部:講座、第2部:街歩き
  • 第1部のみ、もしくは第2部のみの参加はできません
  • 1時間半ほどの街歩きを予定していますので、歩きやすい服装でご参加ください
  • 日時:2017年11月25日(土) 9:30〜12:00(雨天決行)
  • 参加費:1,000円(車止め冊子付)(小学生以下は無料)
  • 定員:先着30名(小学生以下は要保護者同伴)
  • 小学生以下と保護者の参加は、1人として扱います

集合場所

  • 千里文化センター・コラボ内千里図書館・4階集会室
  • 住所:大阪府豊中市新千里東町1-2-2
  • アクセス:北大阪急行「千里中央駅」北改札より約80m、大阪モノレール「千里中央駅」より約400m

主催

  • 主催:千里ニュータウン研究・情報センター(ディスカバー千里)
  • 協力:新千里北町地域自治協議会、千里文化センター・コラボ

申込方法

  • 申込の受付は終了しました