『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

仮設住宅の集約

大船渡市末崎町には末崎小学校校庭の山岸(58戸)、末崎中学校校庭の平林(70戸)、市営球場の大田(134戸)と、小中井(27戸)、大豆沢(24戸)の5ヵ所の仮設住宅があります。仮設住宅に関して、少し前次のような記事が新聞に掲載されていました。

大船渡市は14日の定例記者会見で、市内応急仮設住宅の撤去・集約化計画を発表した。校庭や民有地早期開放・返還の観点から公有地の団地への集約を図り、集約先を除いては28年度末までにすべての撤去を目指す。特に重要視する校庭の9団地はいずれも平成28年度の第2四半期(7~9月)が、めどとして掲げられた。
・・・・・・〔現時点では〕このうち1374戸に入居があるが、一部を除いておおむね27年度中に完了予定の防災集団移転団地造成や災害公営住宅建設、震災からこれまで年平均130件程度という自力再建の状況、被災世帯に対する再建意向調査結果などを踏まえ、28年度までの退去予定数を算出。これに基づき撤去・集約化計画をとりまとめた。
計画では▽防集造成完了工事後半年以内の住宅完成 ▽予定通りの災害公営住宅整備工事完了 ▽自力再建のペースが現状通り進む──と条件付けたうえ、団地ごとの撤去時期を提示。
撤去対象団地に入居し、住宅再建方法や時期が決まっていない人に移転を求める。土地区画整理事業や防災集団移転など事業の進ちょくによっては、これらにより再建を決めている場合でも対象となり得る。年度内から入居者の意向把握、自治組織や地元公民館への説明を行い、27年度から本格実施に移す考え。情勢変化や要望により、計画の見直しを行う場合もあるとしている。
*「仮設住宅撤去・集約へ計画 校庭は28年7〜9めどに」・『東海新報』2014年11月15日

記事によると、末崎町の仮設住宅の集約先は大田仮設になるとのこと。「居場所ハウス」の周辺では今年5月に市営の災害公営住宅(11戸)の入居が始まっており、現在、防災集団移転促進事業や災害公営住宅のための土地造成が進められています。周辺に移転される方々をどうやって「居場所ハウス」に関わってもらえるようになるかを考えるのが、今後の大きな課題です。

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なお、住宅以外では、2013年9月にBRT(高速バス輸送システム)の碁石海岸口駅が新設されたほか、今年の10月からは100円で町内を巡回するコミュニティ・バスの社会実験も始まりましたし、門之浜湾では高さ12.8mの防潮堤(下を走行する自動車と比べるとその高さが際立ちます)の建設工事が進むなど、末崎町の様子も少しずつ変わりつつあります。

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ただ、防災集団移転促進事業によって住宅を再建しようとされている方からは、「あと2回、仮設でお正月を迎えなければならない」という声も聞きました。計画通りであれば、校庭の仮設住宅が撤去されるのは震災から5年後ですが、集約先の大田仮設がされるのはまだ先のことになります。