『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

ネパールでのIbashoプロジェクトのワークショップ②

前日に引き続き、2016年6月7日(火)、マタティルタ(Matatirtha)村において、IbashoとBihaniのメンバーで2日目のワークショップを開催しました。

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この日のワークショップには、会場の高齢者住宅(Matatirtha Oldage Home)の近くにある前期中等教育の学校(Lower Secondary Schoolで11〜13歳の子どもが通学する)の子ども14人が参加してくれました。

子どもたちには2〜3人ずつ5グループに分かれて座ってもらい、それぞれのグループには大人にも入ってもらいました。
最初に、子どもたちにネパール料理を絵で紹介してもらいました。こんなふうに書くんだよと、大人に教えてもらって絵を描いている子どもの姿も。ワークショップを進めているうちに、大人たちは徐々に増えていきました。先日のワークショップに参加した女性グループ(Mahila Samuha)や高齢者をはじめ50人以上の大人が最終的には参加。部屋は満員になりました。これは日本でも共通するかもしれませんが、子どもたちが参加すれば地域の大人たちも参加してくれるということがよくわかります。

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次は、子どもたちがグループの大人たちを紹介するというもの。子どもたちは大人に名前と「自分は子どもに何を教えることができるか」をインタビューし、グループごとに発表してもらいました。最後は、これとは逆に、大人たちがグループの子どもたちを紹介するというもの。大人たちが子どもに名前を「自分は大人に何を教えることができるか」をインタビューし、グループごとに発表してもらいました。
子どもたちは学校で英語を習っていますが、高齢の方は英語が話せないという方も多いという状況があり、英語を教えることができるという子どももいました。

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マタティルタ村の人口は約1,500人で、世帯数は約135世帯。今日のワークショップに参加した子どもと大人が顔見知りだったどうかはわかりませんが、「名前は?」「何を教えることができる?」と尋ね合うことで、改めて互いのことを知る機会になったのではないかと思います。さらに、高齢者は若い世代に何かを教える存在でもあると同時に、若い世代から学ぶ存在でもあることを意識する機会になったと思います。

Ibashoの目的は、何歳になっても自分にできる役割を担いながら、地域で暮らし続けることができる社会を実現すること。このような社会とは、ここにあげたように、何歳になっても教え合い/学び合う関係を築ける社会だと言うことができます。

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昼食を食べた後、2日間のワークショップのまとめを行いました。

Ibashoのプロジェクトとは、Ibashoが地域の方々に何かやってもらうものではありません。1日目のワークショップでは様々な地域の課題があげられましたが、まず地域の中で、自分たちが取り組む問題を5つに絞って欲しいということを伝えました。そして、来月マタティルタ村を訪問する時に、具体的な活動について話し合うことを確認し、2日間のミーティングを終えました。

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来月から、マタティルタ村での活動が始まります。
大船渡の「居場所ハウス」とマタティルタ村での活動の大きな違いは、拠点となる場所の有無。マタティルタ村では、拠点となる場所がないところから活動をスタートします。拠点となる場所があることの良さは、拠点があれば意識せずとも、様々な活動が1つのものとしてのまとまりが生まれることだと思います。逆に言うなら、拠点がない段階での活動は、それらをどうやってIbashoの活動として共有していくかを意識する必要があるということ。
地域外から関わる者には、この点のサポートができると考えています。地域の外から見ているからこそ、活動がもつ可能性や価値を発見できるという側面はあると思います。だからこそ、可能性や価値を見つけて、共有するという役割を積極的に担っていきたいと考えています。
マタティルタ村では、いくつかの活動を重ねていくことで、いずれは拠点となる場所を確保することを目指していきます。女性グループのメンバーが自分たちで建設された建物が、その拠点の1つの候補になります。

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(更新:2017年1月5日)