『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

多世代の人々が居合わせる場所@居場所ハウス

2018年12月16日(日)、「居場所ハウス」にてクリスマスケーキ作りが開催されました。参加したのは親子12人(子ども9人、母親3人)と、大人3人の合わせて15人です。
講師は大船渡市盛町の電器屋さんで、料理教室も開いておられるFさん。Fさんにクリスマスケーキ作りの講師をお願いするのは今年で3回目となります。今日は市販のスポンジケーキを使ってのドームケーキ作り。ドームケーキの基本さえ覚えたら、サンタクロースやアンパンマンの顔など応用もできるとFさん。

クリスマスケーキ作りが行われている隣では、今日の運営当番と来訪者がクルミの殻むき。和室では中学3年生の男の子4人がゲームをして遊んでいました。

「居場所ハウス」ではしばしば多世代の人々が居合わせる光景が見られますが、今日も居合わせる光景が見られました。


建築学者の鈴木毅氏は、「「ただ居る」「団欒」などの、何をしていると明確に言いにくい行為」を含めた、「人間がある場所に居る様子や人の居る風景を扱う枠組み」として「居方」(いかた)という概念を提唱。「居方」の類型として提示される「居合わせる」、「思い思い」などは、人が居られることを大切にする「まちの居場所」の質を捉える上で非常に重要な概念だと考えています。

鈴木毅氏は「居合わせる」について次のように説明しています。

「私が最も重視している居方の一つ。別に直接会話をするわけではないが、場所と時間を共有し、お互いどの様な人が居るかを認識しあっている状況。「誰かに気付かれずに居合わせる」とは言わない。カフェ、レストラン、美術館、駅など都市の公共空間における最も基本的な居方。」
*鈴木毅「体験される環境の質の豊かさを扱う方法論」・舟橋國男編『建築計画読本』大阪大学出版会 2004年