『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

アメリカの公園における新型コロナウイルス感染症への対応事例

世界各国で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が拡大しており、現時点では収束の見通しは立っていません。感染予防のための方法に正解はないかもしれませんが、対応事例についての情報を共有することは何らかの参考になるかもしれないと思い、アメリカで行われている対応事例をご紹介することを考えました。

食料品などを買ったり、身体を動かして心身の健康を保ったりするためにパブリックな場所との関わりなしに日々の暮らしを送ることができないため、ここではパブリックな場所として、公園における対応事例を紹介します(食料品店での対応事例はこちらをご覧ください)。

※ここで紹介するのはアメリカ東海岸のメリーランド州で見かけた事例であり、アメリカ中で同じ対応がなされているかどうかはわかりません。また、今後の状況に応じて対応が変わっていく可能性もあります。

新型コロナウイルス感染症への対応事例

2020年3月30日、メリーランドでは外出禁止令(自宅待機命令/Stay-at-Home Order)が発令され、不可欠な活動(Essential Activities)以外の理由での外出が禁止されました。ただし、不可欠な活動の1つに「ウォーキング、ハイキング、ランニング、自転車などアウトドアエクササイズ」があげられており、公園を訪れることは許可されています。実際、外出禁止令(自宅待機命令)が発令された後も散歩をしたり、ジョギングしたり、自転車に乗ったり、釣りをしたり、子どもを遊ばせたり、座って話をしたりする人などを見かけ、身体を動かしたり、自然に触れたりすることで心身の健康を保つための重要な場所になっています。

公園では、新型コロナウイルス感染症の広がりを防止するためにどのような対応がされているのか。いくつかの公園で実際に見かけた方法を整理すると次のようになります(以下は実際に見かけた方法であるため、この他の対応もなされていると思われます)。

  • 遊具を利用禁止にする。
  • 売店、展示室、温室など公園内の施設を閉館する。
  • ソーシャル・ディスタンシングを呼びかける掲示をする。

ソーシャル・ディスタンシングを呼びかける掲示には、次のような内容が書かれています。

  • 他の人と6フィート(約1.8メートル)の距離をとること。
  • 10人以上で集まることを禁止すること。
  • ハグ、握手を避けること。
  • 通り過ぎる時は、「左側を通ります」と声をかけてください。
  • 他の人が触れる可能性のある物には触れないこと。
  • 遊具を利用しないこと。
  • 物理的に接触したり、器具を共有したりする活動に参加しないこと。
  • 新型コロナウイルス感染症の症状がある時、あるいは、咳やくしゃみをしている時は外出を控えること。

具体例

ウィートン・リージョナル・パーク(Wheaton Regional Park)

公立公園と郡指定の保護地域からなる218.0ha(538.7エーカー)の公園で、公園内にはブルックサイド・ガーデンズ(Brookside Gardens)という庭園、温室、サッカー場、テニスコート、スケートリンクのスポーツ施設、森林内のトレイルなどがある。年中無休で日の出から日没までオープンしており、入場料は無料。

■ブルックサイド・ガーデンズ入口付近の掲示

  • 10人以上のグループで集まったり、他の人の6フィート以内に近づいたりしないでください。
  • 他の人が触れる可能性のある物には触れないでください。
  • 遊具の利用はご遠慮ください。
  • 物理的に接触したり、器具を共有したりする活動には参加しないでください。

■トレイルの掲示

  • 人混みを避けてください。
  • 他の人と6フィートの距離を保ってください。
  • 通り過ぎる時は、「左側を通ります」と声をかけてください。

■閉館されたブルックサイド・ガーデンズの温室

セニカ・クリーク州立公園(Seneca Creek State Park)

ポトマック川に通じる14マイルのセニカ・クリークに沿った2,500ha(6,300エーカー)の公共のレクリエーション・エリア。公園内にはハイキング、サイクリング、乗馬のためのトレイル、ボート、釣りの施設がある。

■掲示

ソーシャル・ディスタンシングのガイド

  • 10人以下のグループのみで集まってください。
  • 他の人が周りにいる場合は、可能な限り6フィートの距離を保ちましょう。ハグ、握手、大人数での集まり、近距離での行動は避けてください。

■立入禁止とされた遊具


このように、公園ではソーシャル・ディスタンシングを中心とする対応がなされていることがわかりますが、逆に言えば、ソーシャル・ディスタンシングさえ守れば、いつも通り利用できる状態になっていると言うこともできます。

(更新:2020年4月30日)