日本では、2020年5月25日に新型コロナウイルス感染症（COVID-19）への対応として発令されていた緊急事態宣言が解除されました。しかし、7月に入ると新規感染者数が徐々に増加しつつあり、第二波ではないかという指摘も耳にするようになりました。
ここで紹介するアメリカ東海岸のメリーランド州では、3月30日、違反者に罰則を伴う外出禁止令（自宅待機命令：Stay-at-Home Order）が発令されるなど、日本より厳格な措置がとられました。その後、5月15日には外出禁止令（自宅待機命令）が解除され、自宅待機に関する勧告（Safer-at-Home Public Health Advisory）に移行し、少しずつ社会を再開するための動きが見られるようになりました。感染者数、死亡者数も徐々に減少しつつあります。
新型コロナウイルス感染症は、世界が、暮らしが変わる分岐点になるかもしれません。この時代に居合わせた者として何ができるかを考えた時、日々の暮らしの状況を記録しておくことも大切な役割ではないかと思いました。特に建築を専攻した者として、パブリックな場所がどのような状況になっているかを記録することが大切だと思いました。
ただし、感染防止のため行動が制限されているため、ここで紹介する情報も限られた範囲で経験したものに過ぎません。具体的にはメリーランド州のモンゴメリー郡（Montgomery County）の主に中流階級の人々が暮らす郊外住宅地を中心とする情報です。断片的な情報に過ぎませんが、今という時代も断片的な情報を重ね合わせる作業を通してしか描けないとすれば、この断片的な情報もささやかな意味を持ち得るかもしれません。
新型コロナウイルス感染症によって暮らしはどのように変化していこうとするのか。暮らしを豊かにするためにどのような工夫ができるのか。これらを考えるうえでも、この情報が少しでも役に立てばと考えています。
以前から継続的に日々気づいたことなどをノートに書くことを心がけてきましたが、今、ノートを読み直すと、トランプ大統領が国家非常事態を宣言した3月13日より前には、新型コロナウイルス感染症のことは書いていません。それが、3月13日以降には新型コロナウイルス感染症に関連して気づいたことを書くようになっています。このことから、自身にとって3月13日が暮らしが大きく変化した転換点になったと考えることができます。
トイレットペーパー、キッチンペーパーなどの日用品、小麦粉、パスタ、お米などの食品が売り切れていたり、売られていても購入制限がかけられたりしていました。
新型コロナウイルス感染症は人を介して感染するため、「ひょっとしたら感染者ではないか？」と居合わせた人が互いに疑心暗鬼になっていました。また、新型コロナウイルス感染症は中国の武漢から発生したという説があり、当初は中国、日本、韓国、台湾など東アジアの国々で感染拡大していたため、「アジア人＝感染者（感染源）」という視線を感じることもありました。
その後、メリーランド州でも感染が拡大し、3月30日には外出禁止令（自宅待機命令）が発令されたため、外出は最小限にとどめ、買物も必要な物だけさっと買うという暮らしになっていました。
しかし、5月に入る頃には変化を感じるようになりました。この時点ではまだ外出禁止令（自宅待機命令）は解除されておらず、ソーシャル・ディスタンシングを守ったり、マスクを着用したりと以前に比べて不便にはなりましたが、こうした暮らしにみな慣れてきたのか（あるいは気の緩み表現すべきかもしれないが）、外出することが過度に不安にならなくなりました。「アジア人＝感染者（感染源）」という視線も以前のようには感じなくなりました。
5月15日には外出禁止令（自宅待機命令）が解除され、自宅待機に関する勧告に移行し、再開ステージ1が始まりました。
この頃にはトイレットペーパーや小麦粉など、売り切れが続いていた商品が棚に並んでいるのを見かけるようになり、買物も随分と楽になりました。
5月29日にはレストランやバーでの屋外ダイニングが再開され、これ以降、屋外席で食事をする人の姿を見かけるなど、街の風景画少しずつ変わっていきます。6月5日からは「基幹的でないビジネス」の閉鎖命令を解除し、ステージ2に移行。数ヶ月ぶりにスーパーマーケットやホームセンター以外の小売店で買物をするという経験もしました。これらのことを通して、長いトンネルを抜けつつあることを感じるようになりました。
新型コロナウイルス感染症は現在進行中ですが、今回、新型コロナウイルス感染症の感染拡大という状況を経験したことで、欲しい物を買えたり、食べたい物を注文できたり、友人や知り合いと集まったり、道ですれ違った人を挨拶することができたりするという今までは当たり前だった日常が、実はかけがえのない貴重なものであったと気づきました。それゆえ、パン焼きやキムチ作りなどの料理をしたり、公園を散歩したり、掃除をしたりと丁寧に生きることを意識するようになりました。
また、道ですれ違った人と声をかけあったり、手をあげて挨拶したり、マスクを着用としたりという対面的な場所におけるささやかな関わりが、新型コロナウイルス感染症によって弱ってしまった他者への信頼を回復するきっかけになる可能性があることも実感しました。
新型コロナウイルス感染症がどのようなかたちで、いつ収束するのかは見通しがたっていませんが、収束した後も、こうした暮らしの価値を大切にし続けたいものだと思います。
目次
- メリーランド州の暮らしの記録
- 2020年3月13日（金）
- 2020年3月14日（土）
- 2020年3月19日（木）
- 2020年3月21日（土）
- 2020年3月22日（日）
- 2020年3月23日（月）
- 2020年3月26日（木）
- 2020年3月30日（月）
- 2020年4月1日（水）
- 2020年4月2日（木）
- 2020年4月3日（金）
- 2020年4月4日（土）
- 2020年4月5日（日）
- 2020年4月9日（木）
- 2020年4月12日（日）
- 2020年4月13日（月）
- 2020年4月14日（火）
- 2020年4月15日（水）
- 2020年4月16日（木）
- 2020年4月19日（日）
- 2020年4月21日（火）
- 2020年4月23日（木）
- 2020年4月28日（火）
- 2020年4月30日（木）
- 2020年5月1日（金）
- 2020年5月3日（日）
- 2020年5月5日（火）
- 2020年5月7日（木）
- 2020年5月10日（日）
- 2020年5月12日（火）
- 2020年5月14日（木）
- 2020年5月15日（金）
- 2020年5月16日（土）
- 2020年5月20日（水）
- 2020年5月23日（土）
- 2020年5月24日（日）
- 2020年5月27日（水）
- 2020年5月28日（木）
- 2020年5月31日（日）
- 2020年6月4日（木）
- 2020年6月5日（金）
- 2020年6月6日（土）
- 2020年6月9日（火）
- 2020年6月12日（金）
- 2020年6月13日（土）
- 2020年6月14日（日）
- 2020年6月16（火）
- 2020年6月19（金）
- 2020年6月21（日）
- 2020年6月24（水）
- 2020年6月27日（土）
- 2020年6月28（日）
- 2020年7月1日（水）
- 2020年7月2日（木）
- 2020年7月3日（金）
- 2020年7月4日（土）
- 2020年7月6日（月）
- 2020年7月7日（火）
- 2020年7月9日（木）
- 2020年7月11日（土）
メリーランド州の暮らしの記録
以下に記載しているのは、自らのノートに基づき、この間の暮らしを時系列で記録した情報です。ただし、全ての外出を記載しているわけではありません。なお、外出禁止令（自宅待機命令）の発令前後における暮らしの全般的な変化はこちらをご覧ください。
2020年3月13日（金）
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、トランプ大統領が国家非常事態を宣言。トイレットペーパーが売り切れているという情報があったため、いくつかの店舗に買物に行く。
エース・ハードウェア（ace hardware）
11時半前、ケンジントン（Kensington）にある中型のホームセンター、エース・ハードウェアへ。店内はそれほど人はいなかったが、トイレットペーパーの棚は空っぽになっている。
セーフウェイ・コネチカット・アベニュー店（Safeway Connecticut Ave）
エース・ハードウェアを出て、すぐ近くにあるセーフウェイ・コネチカット・アベニュー店へ。セーフウェイはスーパーマーケットのチェーン店。
駐車場はほぼ満車だったが、幸い、駐車するスペースはすぐに見つかる。店内に入ると、レジを待つ人の長い行列ができていた（1つのレジに20人以上が並んでいたように思う）。トイレットペーパー、キッチンペーパーの棚は空になっている。
Hマート・ウィートン店（H Mart Wheaton）
12時頃、Hマート・ウィートン店へ。Hマートは韓国系のスーパーマーケットのチェーンで、アジア系の食料品が販売。Hマート・ウィートン店でもトイレットペーパーが売り切れている。
CVS, University Boulevard Kensington
17時頃、ケンジントン（Kensington）のCVSへ。CVSはドラッグストアのチェーン店。
CVSもトイレットペーパーが売り切れている。キッチンペーパーもほとんど在庫がなくなっている。
この日、4か所の店に買物に行ったが、他の店でもトイレットペーパーが売り切れているという話を聞く。
（メモ）新型コロナウイルス感染症は中国の武漢から発生したという説があり、また、当初は中国、日本、韓国、台湾など東アジアの国々で感染拡大していたため、暗に「アジア人＝感染者（感染源）」という目で見られている気がする。そのため、今後はなるべくアジア系の食料品を売るHマートで買物をしようという話をする。
2020年3月14日（土）
ウィートン ・リージョナル・パーク（Wheaton Regional Park）
10時30分頃、ウィートン ・リージョナル・パークへ。ウィートン ・リージョナル・パークは公立公園と郡指定の保護地域からなる218.0ha（538.7エーカー）の公園で、公園内にはブルックサイド・ガーデンズ（Brookside Gardens）という庭園、温室、サッカー場、テニスコート、スケートリンクのスポーツ施設、森林内のトレイルなどがある。
今年は桜の開花が早いようで、ブルックサイド・ガーデンズの大きな枝垂れ桜は花が咲き始めている。桜の花の下に座ったり、池に作られた東屋で集まったり、散策したりする人を見かける。
2020年3月19日（木）
Hマート・ウィートン店（H Mart Wheaton）
15時頃、約1週間ぶりにHマート・ウィートン店へ。
トイレットペーパーはやはり売り切れている。冷凍の餃子も売り切れている。缶詰、キムチ、納豆は売っていたが、在庫が少なくなっている。
売り切れたり、在庫が少なくなっている商品がある一方、お米や、野菜、果物、卵、肉、魚などの生鮮食品は平常通りに販売されている。
2020年3月21日（土）
開店直後ならトイレットペーパーが入荷しているかもしれないと考え、朝の早い時間帯に買物に出かける。
CVS, University Boulevard Kensington
8時20分頃、ケンジントン（Kensington）のCVSへ。トイレットペーパーの棚は空っぽになっている。
エース・ハードウェア（ace hardware）
8時20分頃、ケンジントン（Kensington）の中型のホームセンター、エース・ハードウェアへ。トイレットペーパーの棚は空っぽ。ただし、数日前はトイレットペーパーが販売されていたとのこと。
ターゲット・ウィートン店（Target Wheaton）
8時45分頃、ターゲット・ウィートン店へ。ターゲットはディスカウントの大型スーパーマーケットのチェーンで、ウィートン店はショッピング・モールのウェストフィールド・ウィートン（Westfield Wheaton）内にある。
トイレットペーパーが販売されていることを確認。ただし、在庫は10～15パック（1パックに8ロールが入っている）ほどで、1人に1パックまでと購入制限がなされている。
トイレットペーパーに加えて、ウェットティッシュ、消毒液など消毒のための商品、保存可能な食料品の購入制限がされているのを見かける。
- トイレットペーパー、使い捨てクレンジングクロス、手拭き・顔拭き用ウェットティッシュ、消毒用ウェットティッシュ、消毒液（ハンドサニタイザー）：各種類1人1個まで
- ペットボトルの水（1パック24本入り）：1人2パックまで
- 乾物（Dry Goods）：箱入り食品、スープ、米・豆類、パスタ、パスタ・ソース、常温保存可能なミルク、ベーキング（缶詰・粉ミルク）：各種類1人8個まで
- 卵、ミルク、バター：各種類1人2個まで
- 赤ちゃんのおしり拭き：1人4個まで
- ティッシュペーパー：1人1個まで
Hマート・ウィートン店（H Mart Wheaton）
ターゲット・ウィートン店を出て、Hマート・ウィートン店へ。
トイレットペーパーは棚が空っぽになっている。冷凍の餃子、キムチも在庫が少なくなっている。お米は販売されていたが、1人に1袋までと購入制限されている。一方、野菜、果物、卵、肉、魚などの生鮮食品は十分な数が販売されている。
2020年3月22日（日）
ポトマック川（Potomac River）
ワシントンDCのポトマック川沿いの桜並木が見頃を迎えている。ただし、今年は新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、アクセスを制限するため付近のメトロ（地下鉄）の駅が封鎖されている。
午前中、ワシントンDCを車で通りかかったところ、例年より人数は少ないようだが、ポトマック川沿を散策している人を見かけた。通行止めのため車ではポトマック川の近くまでアクセスできなかったが、徒歩ではアクセスが可能になっている。
マルイチ（Maruichi Japanese Grocery）
12時30分頃、ロックヴィル（Rockville）にある日本食材を売るマルイチへ。日本人と思われる人が数人、買物に来ているのを見かける。ほとんどの食材は販売されていたが、お米、パスタ・ソースは売り切れている。
2020年3月23日（月）
メリーランド州知事が「基幹的でないビジネス」（Non-Essential Businesses）の閉鎖措置を発表。
2020年3月26日（木）
Hマート・ウィートン店（H Mart Wheaton）
16時30分頃、Hマート・ウィートン 店へ。新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、入口脇に、8時から8時半までは高齢者のみが入店できる時間と書かれた掲示がされているのを見かける。
感染防止のため、レジの店員と買物客の間に「Sneeze Guard」（＊Sneezeは「くしゃみ」の意味）と書かれたアクリル製の板が設置。アクリル板には、ソーシャル・ディスタンシングのため前後の買物客と6フィートの距離をとることが書かれている。レジを待つ人が立つ位置を示すため、床には6フィートごとに赤いテープでマーキングされている。
この日もトイレットペーパーは売り切れのままで、入荷日未定の貼り紙がされている。
キムチの棚にも入荷日未定の貼り紙がされているが、キムチは販売されている。餃子などの冷凍食品も販売されている。
野菜、果物、卵、肉、魚などの生鮮食品は十分な数が販売されている。
（メモ）Hマート以外にも、感染防止のため高齢者のみが入店できる時間帯をもうけている店舗があり、このような対応がセーフ・アワーズ（Safe Hours）、シニア・アワーズ（Senior Hours）などと呼ばれているよう。
2020年3月30日（月）
メリーランド州知事が外出禁止令（自宅待機命令／Stay-at-Home Order）を発令し、20時から発効となる。
Hマート・ウィートン店（H Mart Wheaton）
15時30分頃、Hマート・ウィートン 店へ。外出禁止令（自宅待機命令）が発効すると外出しにくくなるため、その前に食料品の買物に出かけることにしたが、みな同じことを考えたのか、普段より店は混雑している。
トイレットペーパー、キムチは売り切れ、パスタは残り3箱だけになっている。ただし、野菜、果物、卵、肉、魚などの生鮮食品は十分な数が販売されている。今まで注意して確認したことがなかったが、インスタントラーメンも十分な数が販売されている。
（メモ）アメリカ人は健康な人はマスクをしないと言われているが、Hマート・ウィートン店は店員も買物客もアジア系の人が多いためか、マスクをしている人が多い。マスクをしていないが、襟で口と鼻を覆いながら買物をしている人もいる。
2020年4月1日（水）
ウィートン ・リージョナル・パーク（Wheaton Regional Park）
13時30分頃、ウィートン ・リージョナル・パークへ。この日、公園内の何ヶ所に、ソーシャル・ディスタンシングを呼びかける掲示がされているのに気がつく。
ブルックサイド・ガーデンズの入口付近の何か所には、次のような掲示がなされている。
- 10人以上のグループで集まったり、他の人の6フィート以内に近づいたりしないでください。
- 他の人が触れる可能性のある物には触れないでください。
- 遊具の利用はご遠慮ください。
- 物理的に接触したり、器具を共有したりする活動には参加しないでください。
トレイルの何か所には、次のような掲示がなされている。
- 人混みを避けてください。
- 他の人と6フィートの距離を保ってください。
- 通り過ぎる時は、「左側を通ります」と声をかけてください。
（メモ）ソーシャル・ディスタンシングのため、なるべく人とすれ違わないようにするため、人が少ないルートを選んで歩くことを意識する。
2020年4月2日（木）
トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店（Trader Joe’s Rockville）
9時30分頃、トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店へ。トレーダー・ジョーズはスーパーマーケットのチェーン店。
入店制限をしているようで、表には入店を待つ人がが20～25人くらい待っている。入店を待つ人も、ソーシャル・ディスタンシングのため距離を空けて並んでいる。入店に時間がかかりそうでだったため、並ばずに店を出る。
ターゲット・ロックヴィル店（Target Rockville）
9時45分頃、ターゲット・ロックヴィル店へ。ターゲット・ロックヴィル店は入店制限もされておらず、買物客も少ない。入口付近では、店員が、買物カゴを消毒液で拭いているのを見かける。
トイレットペーパー、流せるウェットティッシュの棚は空になっている。時々、入荷はあるようだが、1人1パックまでという購入制限を案内する貼り紙がされている。キッチンペーパーも売り切れている。
店舗は広く、全体を歩き回ったわけでないが、ヨーグルト、小麦粉は在庫がなくなっているのを見かける。イーストが手に入りづらくなっているようだが、イーストは販売されていた。野菜、果物、肉などの生鮮食品、冷凍食品、バータ、チーズなどは棚に並んでいる。
ターゲットの店舗には有人のレジ、セルフレジがある。いずれのレジの前にも、レジを待つ人が立つ位置を示すため、床には6フィートごとに赤いマーキングがされている。
マルイチ（Maruichi Japanese Grocery）
ターゲットを出た後、10時過ぎにロックヴィル（Rockville）にある日本食材を売るマルイチへ。開店直後だったせいか、表には商品を入荷するトラックが停まっている。買物客は誰もいない。
10日前に買物に来た時には売り切れていたお米、パスタ・ソースも販売されている。ほとんどの商品が販売されているように感じる。
（メモ）小麦粉、イーストが手に入りにくいのは、自宅で過ごす人が長くなった人がパンを作り始めたのが原因ではないかと言われている。
2020年4月3日（金）
夕方、近所にお住まいの白人の80代の女性がマスクをしているのを初めて見かける。
（メモ）この日、アメリカ疾病予防管理センター（CDC：Centers for Disease Control and Prevention）がマスクの使用を推奨する発表を行っており、アメリカでも外出時のマスクが普及しつつあるのかもしれない。
2020年4月4日（土）
モンゴメリー郡リキュール＆ワイン（Montgomery County Liquor & Wine）
16時半頃、ケンジントン（Kensington）にある酒屋のモンゴメリー郡リキュール＆ワインへ。キュール＆ワインは入店制限がされており、表には5人ほどが間隔を空けて並び、入店を待っている。
入口に店員が立っていて、1人が買物を終え外に出てくる度に、1人を店内に誘導。店内に入る買物客は10人に制限されているよう。レジには店員と買物客の間に、飛沫防止のアクリル板が設置されている。
2020年4月5日（日）
ジャイアント・フード（Giant Food, 13781 Connecticut Ave）
10時頃、ジャイアント・フードへ。ジャイアント・フードはスーパーマーケットのチェーン店営業時間が6時～22時と変更されており、このうち6時～7時は高齢者と免疫システムが弱っている人のための専用の時間とされている。
表にはオンラインで注文し、店舗でピックアップするのを呼びかける大きな掲示。
日曜の午前中のためか買物客はそれほど多くはない。パスタ、パンの在庫が十分にあるのを見かける。
レジの店員と買物客の間には、アクリル製のグラスが設置されている。レジを待つ人が立つ位置を示すため、床には6フィートごとに赤いマーキングがされている。
ルーツ・マーケット（Roots Market）
12時頃、ルーツ・マーケットはオルニー（Olney）にあるオーガニックの食材を販売する食料品店。他の食料品店に比べて値段は高めだとのこと。トイレットペーパーの在庫が十分にあり、1ロールごとに販売されている。
店内には、買物客にソーシャル・ディスタンシングを呼びかける次のような掲示がされているのを見かける。
お客様へ
CDC（アメリカ疾病予防管理センター）のガイドラインに基づき、当面の間、店員にソーシャル・ディスタンシングを実践することを指示しました。
お客様にも、同じようにしていただくことを勧めます。
ご来店いただく全ての皆様がより安全に買物できるようにするためにご理解、ご協力いただきありがとうございます。
レジには、店員と買物客の間に、アクリル製のグラスが設置されている。
2020年4月9日（木）
Hマート・ウィートン店（H Mart Wheaton）
8時45分頃、Hマート・ウィートン店へ。アメリカでもマスクを着用する人が増えており、この日初めてマスクをして買物をする。
朝早い時間のためか買物客は15～20人くらいと少ない。この日はトイレットペーパー、キッチンペーパーが数個ずつだったが販売されているのを見かける。野菜、果物、肉、魚、卵などの生鮮食品、お米、インスタントラーメンなどは十分な数が販売されている。キムチも棚に並んでいる。
2020年4月12日（日）
今日はイースター（復活祭）。例年、イースターの夕食は、親しい人を家に招いて食事会を開く人が多いようだが、今年はそのような食事会は中止になっているのではないかとのこと。
セニカ・クリーク州立公園（Seneca Creek State Park）
10時15分頃、セニカ・クリーク州立公園へ。セニカ・クリーク州立公園はポトマック川に通じる14マイルのセニカ・クリークに沿った2,500ha（6,300エーカー）の公共のレクリエーション・エリア。公園内にはハイキング、サイクリング、乗馬のためのトレイル、ボート、釣りの施設がある。
公園では散歩している人、ジョギングしている人、サイクリングしている人、釣りをしている人、湖の岸辺に座り話をしている人、ボートに乗っている人を見かける。中には芝生の広場にテントを張っている人もいる。
掲示板にはソーシャル・ディスタンシングのガイドとして、次のような掲示がなされている。
ソーシャル・ディスタンシングのガイド
- 10人以下のグループのみで集まってください。
- 他の人が周りにいる場合は、可能な限り6フィートの距離を保ちましょう。ハグ、握手、大人数での集まり、近距離での行動は避けてください。
駐車場近くには大きな遊具のある子どもの遊び場があるが、感染防止のためロープが張られ立入禁止とされている。
日曜の午前中で、時々小雨がぱらつく曇天だったためか、トレイルを歩いている人はそれほど多くはない。すれ違う時は右側に寄ったり、どちらかが脇に避けたりと、なるべく互いに距離を空けることを意識する人が多い。
（メモ）「アジア人＝感染者（感染源）」という視線を感じるため、すれ違う時は足早に通り過ぎたりすることも意識しまう。ただし、中には人種に関わらず、「Hi」、「Hello」と声をかけられたり、声かけに応答してもらったりすることもあり、そのような場合は温かい気持ちになる。
2020年4月13日（月）
ウィートン ・リージョナル・パーク（Wheaton Regional Park）
16時30分頃、ウィートン ・リージョナル・パークへ。森林内のトレイルで、男性がすれ違い時にVサインをしてくださる。
2020年4月14日（火）
ウィートン ・リージョナル・パーク（Wheaton Regional Park）
15時30分頃、ウィートン ・リージョナル・パークへ。森林内のトレイルで、2人の白人の若い女性が、すれ違いに道を譲り、手を振ってくださる。
2020年4月15日（水）
メリーランド州で、レストラン、食料品店を含む小売店の顧客、及び、公共交通機関の利用者がマスク、フェイスカバーを着用することを義務化する知事令が発令される。この命令は2020年4月18日7時から有効となる。
2020年4月16日（木）
ザ・ホーム・デポ・アスペン・ヒル店（The Home Depot, Aspen Hill）
11時15分頃、ザ・ホーム・デポ・アスペン・ヒル店へ。ザ・ホーム・デポは大型のホームセンター。多くの人が買物に来ているようで、大きな駐車場の8割くらいが埋まっている。
出入口が2箇所があるが、片方が入口専用、もう片方が出口専用とされていた。入場制限がされており、表には15人ほどが少しずつ距離を置いて並んでいる。5分ほど待ち、入口のところの店員の案内に従い、入店する。
先日、マスクやフェイスカバー着用を義務化する知事令が出された。知事令が有効になるのは2020年4月18日7時からだが、店員、買物客ともほぼ全員がマスクやフェイスカバーを着用していた。手袋をしている人も多く、半分以上の人が手袋をしている。
店内は混雑とまでは言えないが、それぞれのレジには数人ずつが並んでいる。ソーシャル・ディスタンシングのため、レジを待つ人が立つ位置が、ビニルテープで示されている。
2020年4月19日（日）
ウィートン・クラリッジ・ローカル・パーク（Wheaton Claridge Local Park）
ウィートン・クラリッジ・ローカル・パークはモンゴメリー郡にある公園で、公園内には集会所のような建物、バスケットボール・コート、遊具のある遊び場、ピクニック・エリア、トレイルなどがある。
ウィートン・クラリッジ・ローカル・パークでも遊び場に、ウィートン・リージョナル・パークと同じ掲示がされている。
- 10人以上のグループで集まったり、他の人の6フィート以内に近づいたりしないでください。
- 他の人が触れる可能性のある物には触れないでください。
- 遊具の利用はご遠慮ください。
- 物理的に接触したり、器具を共有したりする活動には参加しないでください。
掲示には「遊具の利用はご遠慮ください」と書かれているが、遊具は自由に使えるようになっており、遊具や、遊具の周りで遊んでいる子どももいる。
ハイランド小学校（Highland Elementary School）
ハイランド小学校の前で、新型コロナウイルス感染症の感染防止のため休校になっている期間、子どもたちに昼食を提供するサービスの掲示板を見かける。
2020年4月21日（火）
Hマート・ウィートン店（H Mart Wheaton）
感染防止のため買物に行く回数を減らしており、2週間弱ぶりにHマート・ウィートン店へ。なるべく人のいない時間帯ということで開店直後の8時30分頃に買物に行く。
Hマート・ウィートン店には出入口が2つあるが、今日訪れると1つの出入口が閉鎖されている。利用されている出入口の前には、開店を待つ人が10人ほど、ソーシャル・ディスタンシングのため距離を空けて並んでいる。
入口のところには1人の店員が立っている。特に何もしていないように見えたが、買物客がマスクをしていることの確認をしているのかもしれない。
トイレットペーパー、キムチが売り切れているのを見かけたが、その他はほぼ販売されていたように見えた。
ルーツ・マーケット（Roots Market）
ルーツ・マーケットに来るのも約2週間ぶり。ルーツ・マーケットでも、入口に1人の店員が立っていた。
床には赤、黄色、オレンジ、水色で次のようにソーシャル・ディスタンシングを呼びかける掲示が貼られている。2週間前に訪れた時よりも掲示が増えている。
- ソーシャル・ディスタンシングを実践して、皆の安全を確保してください。
- 6フィートのソーシャル・ディスタンシングが効果的です。
- 注意：6フィート離れて立ってください。
最近は、どの店でも小麦粉が売り切れている。外出禁止令（自宅待機命令）で家で過ごす時間が増えた人がパンを焼いているから、と言われる。ルーツ・マーケットでも小麦粉の在庫は数袋だけであり、棚の前を通りかかった時にも2人の女性が小麦粉を買っていた。
2020年4月23日（木）
モンゴメリー郡リキュール＆ワイン（Montgomery County Liquor & Wine）
12時前にケンジントン（Kensington）にある酒屋のモンゴメリー郡リキュール＆ワインへ。表には5人ほどが間隔を開けて並び、12時の開店を待っている。
12時の開店と同時に入店。
店内の床には、ソーシャル・ディスタンシングのため6フィートごとに青いテープが貼られている。入口付近は一方通行になっており、青いテープで進行方向が示されている。いずれも、2020年4月4日に買物に来たときは見かけなかった。
12時10分頃、買物を終えて店を出る。一度に入店できる人数が制限されており、表では6～7人が並んで入店を待っていた。
外出禁止令（自宅待機命令）が出されてから、アメリカでは自宅でのアルコール消費量が増加しているという話を聞く。
2020年4月28日（火）
ウィートン・クラリッジ・ローカル・パーク（Wheaton Claridge Local Park）
ウィートン・クラリッジ・ローカル・パークを通りかかったところ、遊具が利用できないように囲いがされているのを見かける。囲いは、2020年4月19日に通りかかった時にはされていなかったので、その後に設置されたもの。
以前から遊具の利用禁止を呼びかける掲示はなされていたが、遊具を利用している人も見かけた。掲示だけでは効力がないと考えられたのだと思われる。
2020年4月30日（木）
トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店（Trader Joe’s Rockville）
10時頃、トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店を通りかかった時、表で入店を待っている人が10～15人ほどと少なかったので、列に並ぶこととする。今日は雨のため、買物客が少ないのかもしれない。
感染防止のため、トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店では様々な対応がされている。
表には次のように、買物客が持参する買物袋の停止し、代わりに通常は有料で販売されている買物袋を無料で提供することが記載されている。
お客様へ
現在の環境を考慮し、全ての再利用可能なバッグの利用を一時的に停止しています。
購入された商品は、無料で提供する紙袋に入れてお渡しします。
入口には店員が1人立っており、入店する人数の制限と、消毒液によるショッピングカートの清掃を行なっている。
10分ほど並んだ後、店員に案内され入店する。
スマートフォンの買い物リスト、紙に書いた買い物リストを見ながら買い物をしている女性を2人見かけた。
店内をくまなく歩き回ったわけではないが、棚にはいつものように商品が並んでいる。ただし、小麦粉は売り切れていた。
レジの前には、買物客同士が近づかないよう、並ぶ位置が青いテープで記されている。
レジの入口にも青いテープが貼られている。店員がレジで精算をしている間、買物客はレジの前に行かず、入口の青いテープの位置で待つことが掲示されている。購入した商品は、店員が紙袋か段ボール箱に詰めて、ショッピングカートに入れてくれる。
精算が終わった後、レジに進んで代金の支払いを行う。レジの店員と買物客の間には、アクリル製の板が設置されている。
ショッピングカートを押して、出口に向かう。出口の外にはテーブルが置かれており、持参した買物袋に商品を入れる場合は、このテーブルで行うようにされている。
（メモ）新型コロナウイルス感染症が起きる前に比べると、買い物の仕方も大きく変化している。マスクをつけたり、入店制限のために表で並んだり、持ち込んだバッグへの詰め込みを店外で行ったりと不自由なこともある。トイレットペーパー、小麦粉など未だに入手しにくいこともある。これらは確かに不便なこと。けれども、今日、トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店での買物の様子、特に買物リストを見ながら必要な商品をピックアップしていく人の様子を見て、この対応を粛々と受け入れているように感じた。
国家非常事態が宣言された直後はみながパニックになっているような印象を受けたが、それから約1ヶ月半が経過し、こうした買物の仕方に慣れてきたということなのかもしれない。
2020年5月1日（金）
ウィートン ・リージョナル・パーク（Wheaton Regional Park）
17時頃、ウィートン ・リージョナル・パークへ。なるべく人とすれ違わないよう、ブルックサイド・ガーデンズ（Brookside Gardens）という庭園には入らず、森林内のトレイルを歩く。
トレイルでは、犬の散歩をしている人と何回かすれ違う。
トレイルの入口には以前からソーシャル・ディスタンシングを呼びかける掲示がされていたが、今日通りかかったところ、「STAY HOME」と書かれた新しい掲示が設置されているのを見かけた。
掲示には他者との距離を6フィート／2メートルあけること、マスクを着用すること、手洗いをすることなどのイラストが描かれている。
2020年5月3日（日）
ウィートン ・リージョナル・パーク（Wheaton Regional Park）
今日もウィートン ・リージョナル・パークへ。お昼過ぎに訪れ、1時間ほど森林内のトレイルを歩く。
ワシントンDCやニューヨークでは自宅からほとんど外出しないで暮らしているという話も間接的に聞く。そうした状況に対して、身近なところにこのような公園が整備されているのを有り難く感じる。大都市ではなく、人口密度の低い郊外ならではの環境なのかもしれない。
1時間ほどTrailを歩いている時、10人／組ほどとすれ違う。
マスクを着けていない人もいるが、マスクを着けたまま歩いている人、すれ違う時だけスカーフなどで口と鼻を覆う人の方が多い印象を受けた。半数くらいは、犬を散歩させている。
すれ違う時、手をあげたり、「Hi」と声をかけたりする人もいる。向こうから人が歩いて来るのが見えると、道が広くなっているところに立ち止まって道を譲ったり、人が歩いて来ない道に逸れたりしたりすることを、こちらも意識し、相手も意識しているよう。
ソーシャル・ディスタンシングを確保しながら散策するための作法も、定着してきたように感じる。
2020年5月5日（火）
Hマート・ウィートン店（H Mart Wheaton）
ちょうど2週間ぶりにHマート・ウィートン店へ。9時過ぎにHマート・ウィートン店に到着。前回、開店直後に買い物に行った時は、10人ほどが表に並んで開店を待っていたが、今日は表に誰も並んでいない。
トイレットペーパー、キッチンペーパー、小麦粉は今日も売り切れになっていた。その他は、キムチも含めて、ほぼ販売されているようだった。
店内はそれほど買い物客は多くなく、3～4ヶ所開いているレジに、それぞれの2～3人が並んでいる程度。ただし、買い物をする回数を減らしているのか、ショッピングカートにはたくさんの商品を入れている人が目立つ。
2020年5月7日（木）
公共衛生に関するガイドラインに従い、フィジカル・ディスタンシングをとることを前提として、今日の7時からゴルフ、テニス、ボート、キャンピングなどアウトドア・アクティビティが可能になる。州立公園は全面的に再開され、州立公園の一部であるビーチはウォーキングやエクササイズのために開放、地方政府の管轄下にあるプレイグラウンドなども再開される。
ウィートン ・リージョナル・パーク（Wheaton Regional Park）
今日は久しぶりに雲一つない晴天で、朝からウィートン ・リージョナル・パークに行くことに。
9時半頃、ウィートン ・リージョナル・パークに到着。今日は久しぶりに公園内のブルックサイド・ガーデンズ（Brookside Gardens）を訪れる。
天気が良いせいか、子どもを遊ばせたり、散歩したり、座って話をしている人が多い。テレワークの合間に子どもの散歩をさせているのか、ベビーカーを押したり、ベビーカーの傍に立って電話をしている男性も2人見かけた。
もちろん、マスクをつけている人、すれ違う時はマスクなどで口と鼻を覆ったりする人は多く、歩くときは周りを距離をとることは続けられている。
ブルックサイド・ガーデンズでは、管理をするスタッフも多数見かけた。ウィートン ・リージョナル・パークは郡（County）が管理する公園だが、州立公園の再開にあわせて、この公園にもスタッフが戻ってきたのかもしれない。
（メモ）トランプ大統領が国家非常事態を宣言してから2ヶ月弱、メリーランド州に外出禁止令（自宅待機命令）が発令されて1ヶ月余りになる。この間、暮らしは大きく変化したが、今日のウィートン ・リージョナル・パークの様子は、社会が再開していく兆しなのかもしれない。
マスクをつけたり、他者との距離をとったりする振る舞いも定着しており、以前よりは悲壮感を感じない印象を受ける。
2020年5月10日（日）
ノースウエスト・ブランチ・トレイル（Northwest Branch Trail）
ウィートン・リージョナル・パーク（Wheaton Regional Park）の北東角から続くノースウエスト・ブランチ・トレイルへ。ノースウエスト・ブランチ・トレイルは、ノースウエスト・ブランチ・アナコスティア川（Northwest Branch Anacostia River）に沿って整備されたトレイル。
この日、散歩のために初めてマスクを持参する。
11時過ぎにノースウエスト・ブランチ・トレイルに到着し、1時間半ほど歩く。この日は天気がよく、散歩している人、犬の散歩をしている人、ジョギングしている人、サイクリングしている人などが多く、20組（人）以上とすれ違う。散歩やジョギングしている人は、1人の人もいれば、夫婦・カップルもいれば、子ども連れの家族もいれば、友人と思われる同じ世代の人のグループもいる。
マスク着用が義務化されたのは買い物時、および、公共交通機関の利用時だけだが、2020年5月に入る頃から公園やトレイルでもマスクを着けて歩く人や、人とすれ違う時だけマスクをつけたりスカーフやタオルなどで口と鼻を覆ったりする人が目立つようになったように思う。
この日のノースウエスト・ブランチ・トレイルでも、マスクをしながら歩いている人もいれば、すれ違う時にだけマスクをしたり、スカーフやタオルで口を覆う人が多い。すれ違う時は、互いに道の端を歩いたり、道が広くなっているところで待って相手が通り過ぎるのを待ったりする。中には、すれ違う時に「Hi」、「Hello」と声をかけたり、手をあげて挨拶したりする人もいる。
（メモ）すれ違う時にマスクを着用することは、相手に対して、「私はあなたにウイルスを感染させようとする意思はありません」、「私はマスクを着けているので、あなたが私に感染させるのではないかと心配してもらう必要はありません」というメッセージを伝え合っているように感じる。
今日、散歩の時に初めてマスクを持参し、誰かとすれ違う時だけマスクを着けるのを実践したことで、これまで誰かとすれ違う時に感じていた緊張感が和らぎ、自然に挨拶できるような気がした。
これは実際にウイルスに感染するか否かとは別次元のことだが、マスクを着用するという作法に則って振舞うことで他者に対する信頼の回復につながるのではないかと感じた。アフターコロナに向け社会を回復させるために一人ひとりができることのヒントは、このようなささやかなところにあるのかもしれない。
2020年5月12日（火）
トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店（Trader Joe’s Rockville）
16時半頃、トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店へ。感染防止のため入店制限がされているが、並んでいるのは3組だけだった。
4月30日に買物に来た時には気づかなかったが、入口前の床にはオレンジのスプレーで6フィートごとにマーキングされていることに気づく。
小麦粉は売り切れていたが、トイレットペーパーは販売されていた。その他の商品もほぼ売れているように感じた。
ウィートン・クラリッジ・ローカル・パーク（Wheaton Claridge Local Park）
今日の夕方、ウィートン・クラリッジ・ローカル・パークに行く。先月末から遊具にされていた囲いが取り払われていた。また、遊び場に設置されていた次の掲示も取り外されていた。
10人以上のグループで集まったり、他の人の6フィート以内に近づいたりしないでください。
他の人が触れる可能性のある物には触れないでください。
遊具の利用はご遠慮ください。
物理的に接触したり、器具を共有したりする活動には参加しないでください。
5月7日から地方政府の管轄下にあるプレイグラウンドを再開することがアナウンスされたが、これに伴い、ウィートン・クラリッジ・ローカル・パークの遊具も利用が再開されたのだと思われる。
2020年5月14日（木）
ウィートン ・リージョナル・パーク（Wheaton Regional Park）
18時前、ウィートン ・リージョナル・パークへ。森林内のトレイルを歩いた後、ブルックサイド・ガーデンズ（Brookside Gardens）へ。
トレイルではあまり人とすれ違わなかったが、ブルックサイド・ガーデンズでは、若いカップル、若者のグループ、子どもを連れた家族、1人で散歩している人など、多くの人を見かけた。
（メモ）メリーランド州では、明日から外出禁止令（自宅待機命令）が解除され、自宅待機に関する勧告に移行することが発表されている。この発表に関わっているかどうかはわからないが、みなリラックスして、少なくとも一時期のような悲壮感はなく、公園の散策をされているように感じた。
2020年5月15日（金）
5月15日の17時より、外出禁止令（自宅待機命令：Stay-at-Home Order）が解除され、自宅待機に関する勧告（Safer-at-Home Public Health Advisory）に移行した。これにより、復興プランのステージ1に移行するが、モンゴメリー郡（Montgomery County）をはじめいくつかの郡はステージ1に移行しないことが発表されている。
2020年5月16日（土）
ターゲット・ウィートン店（Target Wheaton）
9時15分頃、ターゲット・ウィートン店へ。駐車場には多くの車が停まっているが、ターゲット・ウィートン店には買い物をする人がそれほど多くなかったため、コストコ（Costco Wholesale）に行っている人が多いと思われる。
ターゲット・ウィートン店はコストコとともに、モールのウェストフィールド・ウィートン（Westfield Wheaton）内にある。モールの入口にはマスク着用を呼びかける掲示がされている。ただし、モールは閉鎖されており、この入口からはターゲット・ウィートン店のみにアクセスすることができる。
他の店舗と同様、入口では店員がショッピングカートを消毒液で清掃している。
ターゲット・ウィートン店ではトイレットペーパーが30パックほど販売されている。しかし、在庫は十分でないようで1人1パックまでという案内が引き続き掲示されている。
トイレットペーパー、使い捨てクレンジングクロス、手拭き・顔拭き用ウェットティッシュ、消毒用ウェットティッシュ、消毒液（ハンドサニタイザー）：各種類1人1個まで
ペットボトルの水（1パック24本入り）：1人2パックまで
午後、ウィートン・クラリッジ・ローカル・パーク（Wheaton Claridge Local Park）の方から子どもたちの遊び声が聞こえてきた。夕方、ヒスパニック系の人々が多く住む住宅地を歩いていると、5～6人が庭にテーブルを出して食事をしていたり、5～6人が駐車場脇に出したテーブルを囲んで座っていたりする光景を見かけた。昨日で外出禁止令（自宅待機命令：Stay-at-Home Order）が解除されたことで、新型コロナウイルス感染症の以前の暮らしに少しずつ戻りつつあるのかもしれない。
2020年5月20日（水）
Hマート・ウィートン店（H Mart Wheaton）
10時半頃、Hマート・ウィートン店へ。今日は買い物客が少なく、3つ開いているレジには誰も並んでいない。
2週間前に買い物に来た時には売り切れていたトイレットペーパーも、今日は何種類かが棚に並んでいた。以前は貼られていた1人1パックまでという掲示も取り外されていた。
ウィートン・クラリッジ・ローカル・パーク（Wheaton Claridge Local Park）
夕方、ウィートン・クラリッジ・ローカル・パークと公園の周りを歩く。
18:30前、ウィートン・クラリッジ・ローカル・パークへ。遊具では自由に遊べるようになっており、小さな子どもを遊ばせる2家族の姿。子どもたちは滑り台などの遊具で遊んでいる。2人の母親は遊び場の縁石に座って話をしていた。
歩いている時、何組かの人とすれ違ったがマスクを付けている人は誰もいなかった。
赤ちゃんを抱いた白人の40代ぐらいの男性とすれ違う。すれ違う時、男性は「Hi」とこちらに声をかけ、赤ちゃんにも「何か話してみる？」と声をかけていた。
（メモ）新型コロナウイルス感染症が収束したわけではないが、マスクを付けずに歩いたり、遊具で子どもを遊ばせたり、すれ違う人に声をかけたりと、以前のようなピリピリした雰囲気を感じなくなった気がする。
2020年5月23日（土）
シャーウィン・ウィリアムズ・ペイント・ストア（Sherwin-Williams Paint Store）
ペンキを買うため、ウィートン駅近くにある塗装屋、シャーウィン・ウィリアムズ・ペイント・ストアを訪れる。11時半頃、シャーウィン・ウィリアムズ・ペイント・ストアに到着。
営業しているようだが、表の扉は閉まっている。事前に予約した商品をピックアップする「カーブサイド・ピックアップ」のみで商品を販売しているよう。
店の裏手にまわると、裏手の扉の周りで、5人が商品のピックアップを待っている。
事前に予約しっていなかったため帰りかけたところ、ピックアップを待っていた若い白人の女性が、ここで電話をかければ注文できると教えてくれる。店の外からでも電話をすれば注文ができるとのこと。
5分ほど待つと、注文した商品を持った店員が、裏手の扉のところに出てくる。代金は電話でクレジット番号を伝えていたので、商品をピックアップしてすぐに店を出る。
ビーチ・ドライブ（Beach Drive）
お昼頃、ビーチ・ドライブを通りかかる。ビーチ・ドライブは、ロック・クリーク（Rock Creek）に沿って走る道で、道に沿ってトレイルが整備されている。天気の良い週末のためか、トレイルでは散策する人、ランニングする人、自転車に乗る人など、アウトドア・エクササイズをする多くの人を見かけた。ビーチ・ドライブ沿いにある駐車場もほぼ満車だった。
ビーチ・ドライブの、ノウルズ・アベニュー（Knowles Ave）の交差点の南側部分は、車両通行止めになっていた。アウトドア・エクササイズをする人のために車道が開放されていると思われる。
2020年5月24日（日）
ザ・ホーム・デポ・アスペン・ヒル店（The Home Depot, Aspen Hill）
16時頃、ザ・ホーム・デポ・アスペン・ヒル店へ。多くの人が買い物に来ており、入場制限がされている。表では入店を待つ人が30～40人並んでいる。
店の脇には半屋外の植物やガーデニング用品を販売する園芸コーナーがある。こちらも入場制限がされており、3～4人が並んでいた。自宅の庭に植えるのか、熱心に植木を見ているカップルも見かけた。植物やガーデニング用品を販売するコーナーでは、20人ほどが精算のために並んでいる。
（メモ）ザ・ホーム・デポ・アスペン・ヒル店には多くの人が買い物に来ていた。入場制限があったり、マスク着用が義務付けられたりと不便なことはあるが、こうした不便があっても多くの人が買い物に行っているということになる。
新型コロナウイルス感染症への対応として基幹的なビジネス（Essential Businesses）しか営業が認められておらず、普段の買い物の中心は食料品店や薬局が中心になっている。こうした中で、ザ・ホーム・デポをはじめとする大型のホームセンターは、基幹的なビジネスの中で電化製品、日曜大工やガーデニング用品など多様な商品が販売されている貴重な場所。店内を歩いて多様な商品を眺め、多様な商品から欲しい物を選ぶという行為は、外出禁止令（自宅待機命令が出されている現状においては貴重な行為になっていると感じる。
新型コロナウイルス感染症の感染を防止することが大切なのは言うまでもないが、店というのは単に必要な商品を購入するためだけの場所ではなく、販売されている多様な商品を眺めたり、多様な商品から欲しい物を選んだりするという行為を通して暮らしに豊かさを与えてくれる場所でもあること。
新型コロナウイルス感染症の感染が拡大しなければこれは当たり前のこととして気づかなかったかもしれないが、自由に買い物に行けない状況に置かれたからこそ、店が持つこうした側面に気づかされたように思う。
2020年5月27日（水）
エース・ハードウェア（ace hardware）
11時半過ぎ、ケンジントン（Kensington）にある中型のホームセンター、エース・ハードウェアへ。5月23日（土）に前を通りかかった時は、入店を待つ人が5～6人並んでいたが、今日は誰も並んでいない。
店内に入ると、ペットボトルの水が積まれている。その隣には、トイレットペーパーも積まれている。
他の店と同様、レジ前の床には6フィートごとに赤いマーキングがされており、3～4人が並んでいた。
トレーダー・ジョーズやHマートなどのスーパーマーケットではレジの店員と買物客の間に透明の仕切り板が設置されているが、エース・ハードウェアのレジには透明の仕切り板は設置されていない。その代わり、レジの店員はフェイスガードとビニル手袋をつけている。
（メモ）店内の通路ですれ違う時は、買物客同士が6フィートの距離を取ることはできない。今日、買物をしている時、何人かとすれ違ったが、みな他の買物客と6フィートの距離を空けずにすれ違うことに神経質になっていないような印象を受ける。商品を探していると、何を探しているのかと店員から声をかけてくれた。マスク着用が義務化されているからかもしれないが、以前のように他者と関わること、近づくことを恐れなくなってきたような気がする。
少し前はどの店舗も売り切れが続いていたトイレットペーパーも積み上げられており、販売されている物も日常に戻りつつあるのかもしれない。
ウィートン ・リージョナル・パーク（Wheaton Regional Park）
18時前、ウィートン ・リージョナル・パークへ。森林内のトレイルを歩いた後、ブルックサイド・ガーデンズ（Brookside Gardens）へ。
森林内のトレイルでは10人／組ぐらいの散歩をしたり、犬の散歩をしたりしている人とすれ違う。すれ違った人のう地、3分の2くらいはマスクを着けたまま歩いているか、すれ違う時だけマスクをつけている。
1人で犬の散歩をしている白人の女性は、マスクを着けていなかった。すれ違う時、こちらがマスクを着けると、女性はマスクを持ってなくてごめんなさいね、と言って足早に通り過ぎて行かれた。
以前も感じたことだが、マスク着用はすれ違う時の作法になっていると感じる。
ブルックサイド・ガーデンズでは多くの人が過ごしている。散歩している人、芝生にシートを敷いて座っている人、遊んでいる若者のグループなど。ちょうどバラが見頃で、バラ園のベンチに座って話をしたり、写真を撮影したりしている人もいた。
2020年5月28日（木）
トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店（Trader Joe’s Rockville）
9時半頃、トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店へ。今日は表では誰も並んでおらず、店内もそれほど混雑していない。
2週間前に買物に来た時まではずっと売り切れていた小麦粉が、今日は15袋ほど販売されていた。ただし、棚には1家族1袋までと書かれている。パンを焼くために必要なイーストが販売されているのも見かけた。
トイレットペーパーをはじめ、他の商品も売り切れているものはないようだった。
10人ほどが精算のために並んでいる。床には6フィートごとに赤い丸に、足形と「PLEASE KEEP SOCIAL DISTANCING / STAND HERE」と書かれたマーキングがされている。以前は、青いテープでマーキングされていたが、マーキングし直されたよう。
買物客が持参する買物袋の停止し、代わりに通常は有料で販売されている買物袋を無料で提供されていることは、以前と変わらない。
2020年5月31日（日）
ウィートン ・リージョナル・パーク（Wheaton Regional Park）
10時頃、ウィートン ・リージョナル・パークへ。今日も森林内のトレイルを歩いた後、ブルックサイド・ガーデンズ（Brookside Gardens）へ。
森林内のトレイルでは5～6人／組ぐらいの散歩をしたり人とすれ違う。小さな子どもを連れて散歩している人も何組かいた。マスクを着けて歩いている人もいるが、マスクを着けずに歩いている人もいる。ただし、マスクを付けずに歩いていても、すれ違う時だけマスクをする人もいる。
天気の良い日曜で、池で釣りをしている若者、双眼鏡を首からかけてバードウォッチングをしている高齢の夫婦をはじめ、多くの人を見かける。10人ほどが芝生に座って話をしているのも見かける。ソーシャル・ディスタンシングのため、互いに距離をとって座っている。
ブルックサイド・ガーデンズでも散歩している人、子どもを遊ばせている人、バラ園で写真を撮影している人など多くの人が過ごしている。5月27日の夕方訪れた時より人が多い。
2020年6月4日（木）
ターゲット・ウィートン店（Target Wheaton）
15時半頃、ショッピング・モールのウェストフィールド・ウィートン（Westfield Wheaton）内にあるターゲット・ウィートン店に買い物に行く。ターゲット・ウィートン店に向かう道は車が多い。買物客が多いのかと思ったが、ターゲット・ウィートン店の前も、コストコ（Costco Wholesale）の前もそれほど車は停まっていない。
ターゲット・ウィートン店に向かうとモールの入口が閉鎖されていた。5月25日に、ミネソタ州ミネアポリス市で発生した黒人男性死亡事件に対するデモの対応として、モール自体が臨時休業になっているよう（ターゲットはミネソタ州に本社を置く企業）。
臨時休業になっていることを知らず、買物に来た人も多いようだった。
モール周辺の道路も、1ヶ所を除いて封鎖されており、そのため車が多いことがわかる。
モールは閉鎖されているが、スーパーマーケットのジャイアント・フード（Giant Food）をはじめ、周囲の店は営業されている。
2020年6月5日（金）
6月5日17時から、復興プランのステージ2に移行する。
ターゲット・ロックヴィル店（Target Rockville）
先日、ターゲット・ウィートン店がデモの対応のため臨時休業になっていたので、ターゲット・ロックヴィル店に買物に行く。11時頃、ターゲット・ロックヴィル店へ。
店舗のエントランスがあるフロアの駐車場は8割ほど埋まっていたが、店舗が広いため、店内はそれほど混雑した感じではない。
しばらく売り切れになっていたトイレットペーパー、キッチンペーパーも、1人あたり1パックまでと購入制限がされているが、十分な数が販売されていた。
トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店（Trader Joe’s Rockville）
ターゲット・ロックヴィル店からの帰り、トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店の前を通りかかると、表には入店待ちの人が20～30人並んでいる。
この週末、ワシントンDCでは大規模なデモが予定されており、外部からの多くの人が集まるとのこと。それにより渋滞が起こるので、今日のうちに買物に来ている人が多いのではないかという話を聞く。
2020年6月6日（土）
ザ・ホーム・デポ・アスペン・ヒル店（The Home Depot, Aspen Hill）
16時頃、ザ・ホーム・デポ・アスペン・ヒル店へ。今日も多くの人が買物に来ており、入口前で入店を待つ人が20人ほど並んでいる。ただし、店の脇にある半屋外の園芸コーナーの入口前には誰も並んでおらず、3連休中の5月24日に買物に来た時よりは人は少ない。
モンゴメリー郡リキュール＆ワイン（Montgomery County Liquor & Wine）
17時半頃、ケンジントン（Kensington）にある酒屋のモンゴメリー郡リキュール＆ワインへ。到着した時は、入店を待つ人が8人並んでいる。
入場制限がなされ、マスク着用が義務付けられているが、こうしたスタイルでの買物にも慣れてきた。以前のように、新型コロナウイルス感染症に感染するかもしれない、と不安に感じながら買物をすることもなくなった。
モンゴメリー郡リキュール＆ワインの並びにあるドラッグストアのチェーン店であるCVSは、営業されていたが、暴動の対策として入口部分のガラスが板で覆われていた。
2020年6月9日（火）
ウィートン ・リージョナル・パーク（Wheaton Regional Park）
14時頃、ウィートン ・リージョナル・パークに到着し、1時間ほど森林内のトレイルを歩く。
暑い日だったこともあり、トレイルを歩いている人はほとんどおらず、すれ違ったのは次の4組だけ。
・犬の散歩をさせている高齢・中年の親子と思われる女性2人
・勤務中の3人の公園スタッフ
・犬の散歩をさせている高齢の男性
・夫婦と小学生くらいの2人の女の子の4人家族
このうち、マスクを着けていたのは勤務中の3人の公園スタッフと、子連れの4人家族。ただし、すれ違う時も、以前のように感染する／感染させるのではないかとビクビクすることはなくなった。
トレイルには何ヶ所か、次のようにソーシャル・ディスタンシングを呼びかける掲示がされている。
- 人混みを避けてください。
- 他の人と6フィートの距離を保ってください。
- 通り過ぎる時は、「左側を通ります」と声をかけてください。
掲示は現在でもされているが、1ヶ所、掲示がなくなっているのを見かけた。また、2ヶ所、掲示が剥がれ落ちたままになっているのを見かけた。
このような部分にも、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策が緩やかになっているのを感じる。
（メモ）先週の金曜日にメリーランド州がステージ2に移行したこと、人種差別に対するデモが各地で生じたことという大きな出来事があったため、新型コロナウイルス感染症に感染する／感染させるのではないかとビクビクして外出していたことが随分前のことのように感じてしまう。
2020年6月12日（金）
再開ステージ2におけるビジネス・活動の追加的再開として、6月12日17時から以下が可能になる。
・レストランは、最大収容数の50%を上限として、屋内での飲食を再開可能
・屋外アミューズメント（ミニチュアゴルフ、ゴーカートトラック、屋外プール等）は、最大収容数の50%を上限として再開可能
2020年6月13日（土）
トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店（Trader Joe’s Rockville）
18時頃、トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店へ。表に3人が入店のため並んでいる。
いつもの通り、表には店員がおり、消毒液でショッピングカートを清掃している。
5分ほど待った後、店員の案内で入店する。
入店制限がなされているため店内は混雑していないが、精算を待つ人が20人ほど並んでいた。ただし、6フィートの距離をとって並んでいるため、5分ほど並んだだけで精算を済ませることができた。
トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店と駐車場を挟んだ向かいには、マンマルチア（Mamma Lucia）というイタリアンのレストランがある。店の脇には屋外のテラス席が設けられており、何人かが食事をしているのが見えた。
2020年6月14日（日）
Hマート・ウィートン店（H Mart Wheaton）
10時半頃、Hマート・ウィートン店。少し前は売り切れが続いていたトイレットペーパーが通路部分に山積みにされて販売されていたが、手にとっている人は誰も見かけなかった。トイレットペーパーが入手しにくい状況も解消されたのだと思われる。小麦粉、キムチも販売されている。
マスクをしながら買い物していること、レジに並ぶ時はソーシャル・ディスタンシングとして6フィートの距離をあけて並ぶことを除けば、以前の状態が戻ってきているように感じる。
ウィートン・リージョナル・パーク（Wheaton Regional Park）
17時頃、ウィートン・リージョナル・パークへ。最初に森林内のトレイルを歩いた後、庭園のブルックサイド・ガーデンズ（Brookside Gardens）に入る。
トレイルでは数組／人としかすれ違わなかったが、ブルックサイド・ガーデンズには多くの人。見かけた人はこれまでで一番多い。人数が多いためきちんと数えたわけではないが、200人は見かけたのではないかと思う。ただし、面積が広いため、それほど混雑した感じはしない。
散歩している人、バラ園で過ごしている人もいるが、芝生に座っている人が多い。小さな子どもを連れた人や、若者のグループが多い印象を受けた。
2020年6月16（火）
ケントランズ（Kentlands）
お昼過ぎ、メリーランド州モンゴメリー郡のゲイザースバーグ（Gaithersburg）にあるケントランズを訪問する。ケントランズはニューアーバニズムの思想によって計画された計画住宅地。
ケントランズには、ヘレン湖（Lake Helene）、リネット湖（Lake Lynette）、インスピレーション湖（Inspiration Lake）、ニルヴァーナ湖（Lake Nirvana）の4つの人造湖があり、人造湖の周りにトレイルがもうけられている。
トレイルでは散歩している高齢者、ベビーカーを押して散歩している家族、ジョギングしている人、自転車に乗っている親子、自転車に乗って遊びまわる子どものグループ、ベンチに座っている人、釣りをしている人などを見かけたが、マスクを着けている人、すれ違う時にマスクを着けたり口を覆ったりしている人はほとんど見かけなかった。
メリーランド州ではレストランやバーは、屋外での食事と、最大収容人数の50％に制限した店内での食事が可能となっている。商業施設などが集まるケントランズ・マーケット・スクエア（Kentlands Market Square）のレストランでも、前の広場や歩道、車道に屋外席をもうけている店があり、食事をしている人を見かけた。
車道の一部を囲ってもうけられた屋外席は、サンフランシスコ発祥のパブリック・パークレットのような場所になっている。
2020年6月19（金）
再開ステージ2におけるビジネス・活動の追加的再開として、6月12日17時から以下が可能になる。
・屋内フィットネス活動（ジム、武術、ダンス等）は、最大収容数の50%を上限として再開可能
・カジノ、アーケード、モールは再開可能
ウィートン・クラリッジ・ローカル・パーク（Wheaton Claridge Local Park）
14時半頃、ウィートン・クラリッジ・ローカル・パークへ。遊具では4～5人の子どもが遊んでいた。遊具前の縁石には、高齢の男性が1人で座っている。
バーベキューコーナーの近くの芝生では、シートを敷いて3人の大人が座っている。ウィートン・クラリッジ・ローカル・パークで、シートを敷いて座っているのを見かけるのは初めて。
2020年6月21（日）
知人が家にやって来て、4人で夕食を一緒に食べる。テーブルを囲んで座るのではなく、デッキに横に並んで座る。新型コロナウイルス感染症の対応として外出禁止令（自宅待機命令）が出されて以来、食事会をするのは初めて。やって来られた2人の知人も、実際にあって夕食を食べるのは久しぶりと話されていた。
2020年6月24（水）
トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店（Trader Joe’s Rockville）
12時半頃、トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店へ。すぐ隣にあるディスカウントのチェーン店ROSSがオープンしており、ROSSの表でも入店を待っている人が並んでいた。並んでいる人は若い女性が多いように感じた。ロスから、大きな買物袋を持って出て来た女性も見かけた。
トレーダー・ジョーズでは、入店を待つ人が20人ほど並んでいる。これまで、トレーダー・ジョーズの入店を待つ人は隣のROSSの前まで列を作って並んでいた。ROSSがオープンしたことで、トレーダー・ジョーズ前にはロープが貼られ、折り返して並ぶように変更されていた。
10分ほど並んでトレーダー・ジョーズに入店する。今日は小麦粉も十分な在庫があるようで、このように多くの小麦粉が並んでいるのは初めて見かけた。
2020年6月27日（土）
ベセスダ（Bethesda）
17時頃、メリーランド州モンゴメリー郡（Montgomery County）にあるベセスダの、ノーフォーク・アベニュー（Norfork Ave）、ウッドモント・アベニュー（Woodmont Ave）を訪れる。2つの道路は新型コロナウイルス感染症の感染防止の対策として、車道を通行止めにしてレストランのための屋外席にするストリータリー（Streetery）になっている。
ちょうど激しい夕立があがったばかりだったので、ストリータリーには空席が目立ったが、飲食している人を見かけた。
ストリータリーだけでなく、店の前の歩道にテーブルを出して屋外席としているレストラン、カフェもあり、飲食している人を見かけた。
飲食店以外にも、Appleストアや衣料品店などの小売店もオープンしている。歩いている人は、半分以上がマスクを着用しているようだった。
（メモ）ベセスダでは通りを歩いている人、ストリータリーや歩道に出されたテーブルで飲食している人など多くの人を見かけた。新型コロナウイルス感染症が収束したわけではないが、社会を再開する動きが進んでいることを感じる。ただし、このことは街が元通りになるわけでなく、車を通行止めにして屋外席とするストリータリーは、街に新たな魅力を生み出しているように感じる。
2020年6月28（日）
聖カトリーヌ・ラブレ・カトリック教会（St. Catherine Labouré Catholic Church）
メリーランド州では再開のステージ1になった段階で教会が再開が可能とされている。屋外での集会が強く推奨されるが、最大収容人数の50％を上限とし、適切な安全策をとった上で屋内での集会も可能とされている。
10時過ぎ、聖カトリーヌ・ラブレ・カトリック教会の前を通りかかると、屋外でのサービスの準備が行われていた。教会の建物脇の高くなっている芝生の広場にテントが張られ、その下に演台がもうけられている。ソーシャル・ディスタンシングのため、参加者は下の敷地に車を並べて停め、車の中から説法を聞くかたちでサービスが行われるよう。
2020年7月1日（水）
パイク・アンド・ローズ（Pike & Rose）
14時頃、ワシントンメトロのホワイト・フリント（White Flint）駅近くのパイク・アンド・ローズへ。
パイク・アンド・ローズは近年開発が行われたエリア。レストラン前には歩道の一部を囲って屋外席がもうけられている。特にサマー・ハウス・サンタ・モニカ（Summer House Santa Monica）というレストランの屋外席では多くの人が食事をしていた。
周りを囲ってレストラン専用の屋外席になっているところだけでなく、誰が座ってもよいようにオープンになっているベンチも置かれている。元々、歩道が広く計画されており、多数のベンチが置かれている。スターバックス周りのベンチにも座っている人が多い。屋外のベンチで、ノートパソコンで作業をしている人も一人見かけた。
レストランやカフェの飲食店だけでなく、ユニクロ、L・L・ビーン、REIという衣料品やアウトドア用品店、その他、化粧品、家具のお店など、ほとんどの小売店が営業しているようだった。
これらの小売店も、スーパーマーケットと同様、入店制限をしたり、店内にマスク着用や6フィートの距離を確保することを呼びかける掲示がされたりしている。入店を待つ人のソーシャル・ディスタンシングのため、入口前に6フィートごとにマーキングがされている小売店もある。REIでは、入口で使い捨てのマスクが配布されていた。
小売店では、感染防止のためカーブサイド・ピックアップ（Curbside Pickup）が推奨されている。カーブサイドとは縁石（側）（curb side）の意味。事前に商品をオンラインで注文し、店の近くに着いた時に店に連絡すれば、店員が車まで商品を運んできてくれる。買物客は店舗内に入らず、車を縁石（側）に停めたまま商品の受け取りが可能。
パイク・アンド・ローズでは、一部の縁石が黄色とピンクで塗られ、「the pick-up.」という文字が書かれている。一部の駐車スペースがカーブサイド・ピックアップのために確保されているようだった。
2020年7月2日（木）
ウィートン ・リージョナル・パーク（Wheaton Regional Park）
17時30分頃、ウィートン ・リージョナル・パークへ。森林内のトレイルを歩いた後、庭園のブルックサイド・ガーデンズ（Brookside Gardens）内を歩く。
平日の夕方のせいか、森林内のトレイルを歩いている人はほとんどおらず、5～6組／人とすれ違っただけ。このうち、マスクをしている人は1～2人だけだった。
トレイルのゴミ箱脇には、ゴミ箱がいっぱいの場合はゴミを持ち帰ることを依頼する掲示がされている。
「モンゴメリー郡の公園でゴミを捨てることは禁止されています！
この困難な時期に、公園のスタッフはトレイルや公園を清潔に保つために懸命に取り組んでいます。ゴミ箱がいっぱいの場合は、ゴミを持ち帰ってください。」
ブルックサイド・ガーデンズで過ごしている人は多いが、以前よりマスクを着けている人は半分もおらず、以前より減った気がする。バラ園近くの池では結婚式用の写真を撮影しているカップルがいた。バラの見頃も終わりつつあり、バラ園にもあまり人がいない。
今日は子どもを連れた人が多かった。子どもを連れて歩いている夫婦、芝生にシートを敷いて子どもが遊んでいるのを見ている女性、ベビーカーを押したり子どもを抱いたりして並んで歩く女性などを見かけた。
ブルックサイド・ガーデンズの入口には、初めてみる掲示がされていた。掲示にはブルックサイド・ガーデンズ内で行っていいことが「Yes」、禁止されていることが「No」として、イラストともに書かれている。掲示には次のようなことが書かれている。
- Yes：6フィートのフィジカル・ディスタンシング、自然とつながる、熟考と瞑想、庭園の美しさを楽しむ
- No：自転車／スクーター、ペット、トイレ、ピクニック、ボール競技
2020年7月3日（金）
Hマート・ウィートン店（H Mart Wheaton）
10時半頃、Hマート・ウィートン店の前を通りかかると、20人ほどが入店を待って並んでいる。Hマート・ウィートン店で入店制限がされているのを見るのは初めて。明日の独立記念日を挟み、今日から3連休のため買い物に行く人が多いのかもしれない。
聖カトリーヌ・ラブレ・カトリック教会（St. Catherine Labouré Catholic Church）
20時頃、聖カトリーヌ・ラブレ・カトリック教会の脇を通りかかった時、先週、先週、サービスのための演台が設けられていた芝生の広場に、屋根を設置する工事が行われているのを見かける。
2020年7月4日（土）
ウィートン （Wheaton）
夕方、ヒスパニック系の人々が多く住む住宅地を歩いていると、庭でバーベキューをしている家を何件か見かける。例年、7月4日の独立記念日には家に友人などを招いてバーベキューをする風習があるとのこと。
近所を歩いている時も、帰宅後も、あちこちから打ち上げ花火の音が聞こえてくる。打ち上げ花火も独立記念日の風習だとのこと。
新型コロナウイルス感染症のため、例年と同じではないかもしれないが、バーベキューと打ち上げ花火は今年も行われている。
2020年7月6日（月）
ウィートン ・リージョナル・パーク（Wheaton Regional Park）
15時30分頃、ウィートン ・リージョナル・パークへ。30分ほど森林内のトレイルを歩く。トレイルでは、子どもを連れて散歩している人、ジョギングしている人など数組／人とすれ違う。すれ違った人のうち、マスクを着けて歩いているのは半分もいない。
以前、池のほとりのゴミ箱脇にソーシャル・ディスタンシングを呼びかける掲示がされていたが、今日通りかかった時に掲示がなくなっているのに気づいた。
2020年7月7日（火）
ミッション・バーベキュー・ロックヴィル店（Mission BBQ, Rockville）
17時頃、ミッション・バーベキュー・ロックヴィル店へ。バーベキューをテイクアウトする。
店の前の駐車場のうち、1区画はカーブサイド・ピックアップのために確保されている。
店の前の通路にはいくつかのテーブルが置かれ、1つのテーブルで食事をしている人がいる。
店内はテーブルで男性1人が食事をしているだけだった。もう1人、ちょうど帰りかける男性を見かける。
注文するカウンター前の床には、水色のテープが等間隔でマーキングされている。また、一方通行であることを示すマーキングもされている。
店内のテーブルは、ソーシャル・ディスタンシングのためいくつかのテーブルが利用禁止とされている。
2020年7月9日（木）
ウィートン・クラリッジ・ローカル・パーク（Wheaton Claridge Local Park）
午後、ウィートン・クラリッジ・ローカル・パークを訪れる。遊具のある遊び場に新しい掲示がされているのを見かける。掲示には英語とスペイン語で次のように書かれている。
遊び場はオープンしています。
・フェイスカバーを着用してください。
・6フィートの距離をとってください。
・利用前後は手洗いをしてください。
ウィートン ・リージョナル・パーク（Wheaton Regional Park）
17時30分頃、ウィートン ・リージョナル・パークへ。森林内のトレイルを歩いた後、庭園のブルックサイド・ガーデンズ（Brookside Gardens）内を歩く。
今日も森林内のトレイルではあまり人とすれ違わず、5～6組／人とすれ違っただけだった。このうち、2～3組は子どもを一緒に歩いていた。マスクを着けて歩いている人は誰もいなかったように思う。
庭園のブルックサイド・ガーデンズ（Brookside Gardens）と、ブルックサイド・ネーチャーセンター（Brookside Nature Center）の駐車場には、新型コロナウイルス感染症の感染防止を呼びかける新しい掲示板が設置されていた。掲示板はCDC（アメリカ疾病予防管理センター）によるもので次のように書かれている。
細菌の蔓延をとめる
新型コロナウイルス感染症のような呼吸器の疾患を防ぐために。
・他の人から少なくとも6フィート（約腕2倍の長さ）離れましょう。
・咳やくしゃみをティッシュで覆い、ゴミ箱に捨て手を洗いましょう。
・公共の場では、鼻と口を覆う布製のフェイスカバーを着用しましょう。
・目、鼻、口には触れないようにしましょう。
・頻繁に触れる物や表面を清掃、消毒しましょう。
・病気のときは、治療を受ける時以外は家にいましょう。
・少なくとも20秒以上、石鹸と水でこまめに手を洗いましょう。
ブルックサイド・ガーデンズでは、歩いている人の半分以上がマスクを着けている。
芝生の広場では、何組かの若者のグループがシートを敷いて座っている。青いガウンを着た3人が記念撮影をしているのも見かける。今年は高校の卒業式が中止になったので、代わりに記念撮影をしているようだった。
ブルックサイド・ガーデンズを出たところにある池では、釣りをしている若者を何人か見かけた。
2020年7月11日（土）
ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港を経由して、ロサンゼルス国際空港から出国。翌日、関西国際空港から入国する。
