※メリーランド州でのその後の暮らしの記録はこちらの記事で紹介しています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受け、2020年4月7日、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に非常事態宣言が発令されました(4月8日午前0時から効力発生)。2020年4月10日には、東京都が休業要請をする業種も発表しています。
これに対して、ここで紹介するアメリカ東海岸のメリーランド州では、違反者には罰則を伴う外出禁止令(自宅待機命令)が発令され*1)、「基幹的でないビジネス」の閉鎖措置がとられるなど、日本より厳格な対応がなされています。
新型コロナウイルス感染症は、世界が、暮らしが変わる分岐点になるかもしれません。この時代に居合わせた者として何ができるかを考えた時、日々の暮らしの状況を記録しておくことも大切な役割ではないかと思いました。
ただし、外出禁止令(自宅待機命令)の下においては不可欠な活動以外の理由での外出が禁止されているため、ここで紹介する情報も限られた範囲で経験したものに過ぎません。具体的にはメリーランド州のモンゴメリー郡(Montgomery County)の主に中流階級の人々が暮らす郊外住宅地を中心とする情報です。断片的な情報に過ぎませんが、今という時代も断片的な情報を重ね合わせる作業を通してしか描けないとすれば、この断片的な情報もささやかな意味を持ち得るかもしれません。
新型コロナウイルス感染症の感染がさらに拡大すれば、日本でもより厳格な対応がなされる可能性もあります。その時、暮らしはどうなるのか、どのように工夫できるのかを考えるうえでも、この情報が少しでも参考になればと考えています。
今回、新型コロナウイルス感染症の感染拡大という状況を経験したことで、欲しい物を買うことができたり、食べたい物を注文することができたり、友人や知り合いと集まったり、道ですれ違った人を挨拶することができたりするという今までは当たり前だった日常が、実はかけがえのない貴重なものであったと気づきました。パン焼きやキムチ作りなどの料理をしたり、公園を散歩したり、掃除をしたりと丁寧に生きることを意識するようになりました。
新型コロナウイルス感染症がどのようなかたちで、いつ収束するのかは見通しがたっていませんが、収束した後も、こうした暮らしの価値を大切にし続けたいものだと思います。いつかこの記録を読み返して、「あの時は大変な時代だったけど、暮らしの転換点だったな」と振り返ることのできる日がくることを願います。
- 1)外出禁止令と表現されることもあるが、メリーランド州が発令しているのは「Stay-at-home order」(ステイ・アット・ホーム・オーダー)であり、自宅待機命令の意味に近い。なお、「Shelter-in-place order」(シェルター・イン・プレイス・オーダー)の表現が用いられている州もある。
目次
- メリーランド州の暮らしの記録
- 2020年3月13日(金)
- 2020年3月14日(土)
- 2020年3月19日(木)
- 2020年3月21日(土)
- 2020年3月22日(日)
- 2020年3月23日(月)
- 2020年3月26日(木)
- 2020年3月30日(月)
- 2020年4月1日(水)
- 2020年4月2日(木)
- 2020年4月3日(金)
- 2020年4月4日(土)
- 2020年4月5日(日)
- 2020年4月9日(木)
- 2020年4月12日(日)
- 2020年4月13日(月)
- 2020年4月14日(火)
- 2020年4月15日(水)
- 2020年4月16日(木)
- 2020年4月19日(日)
- 2020年4月21日(火)
- 2020年4月23日(木)
- 2020年4月28日(火)
- 2020年4月30日(木)
メリーランド州の暮らしの記録
以前から継続的に日々気づいたことなどをノートに書くことを心がけてきましたが、今、ノートを読み直すと、トランプ大統領が国家非常事態を宣言した2020年3月13日より前には、新型コロナウイルス感染症のことは書いていません。それが、2013年3月13日以降には新型コロナウイルス感染症に関連して気づいたことを書くようになっています。このことから、自身にとっては2020年3月13日が暮らしが大きく変化した転換点になったと考えることができます。
以下に記載しているのは、自らのノートに基づき、この間の暮らしを時系列で記録した情報です。ただし、全ての外出を記載しているわけではありません。なお、外出禁止令(自宅待機命令)の発令前後における暮らしの全般的な変化はこちらをご覧ください。
2020年3月13日(金)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、トランプ大統領が国家非常事態を宣言。トイレットペーパーが売り切れているという情報があったため、いくつかの店舗に買物に行く。
エース・ハードウェア(ace hardware)
11時半前、ケンジントン(Kensington)にある中型のホームセンター、エース・ハードウェアへ。店内はそれほど人はいなかったが、トイレットペーパーの棚は空っぽになっている。
セーフウェイ・コネチカット・アベニュー店(Safeway Connecticut Ave)
エース・ハードウェアを出て、すぐ近くにあるセーフウェイ・コネチカット・アベニュー店へ。セーフウェイはスーパーマーケットのチェーン店。
駐車場はほぼ満車だったが、幸い、駐車するスペースはすぐに見つかる。店内に入ると、レジを待つ人の長い行列ができていた(1つのレジに20人以上が並んでいたように思う)。トイレットペーパー、キッチンペーパーの棚は空になっている。
Hマート・ウィートン店(H Mart Wheaton)
12時頃、Hマート・ウィートン店へ。Hマートは韓国系のスーパーマーケットのチェーンで、アジア系の食料品が販売。Hマート・ウィートン店でもトイレットペーパーが売り切れている。
CVS, University Boulevard Kensington
17時頃、ケンジントン(Kensington)のCVSへ。CVSはドラッグストアのチェーン店。
CVSもトイレットペーパーが売り切れている。キッチンペーパーもほとんど在庫がなくなっている。
この日、4か所の店に買物に行ったが、他の店でもトイレットペーパーが売り切れているという話を聞く。
(メモ)新型コロナウイルス感染症は中国の武漢から発生したという説があり、また、当初は中国、日本、韓国、台湾など東アジアの国々で感染拡大していたため、暗に「アジア人=感染者(感染源)」という目で見られている気がする。そのため、今後はなるべくアジア系の食料品を売るHマートで買物をしようという話をする。
2020年3月14日(土)
ウィートン ・リージョナル・パーク(Wheaton Regional Park)
10時30分頃、ウィートン ・リージョナル・パークへ。ウィートン ・リージョナル・パークは公立公園と郡指定の保護地域からなる218.0ha(538.7エーカー)の公園で、公園内にはブルックサイド・ガーデンズ(Brookside Gardens)という庭園、温室、サッカー場、テニスコート、スケートリンクのスポーツ施設、森林内のトレイルなどがある。
今年は桜の開花が早いようで、ブルックサイド・ガーデンズの大きな枝垂れ桜は花が咲き始めている。桜の花の下に座ったり、池に作られた東屋で集まったり、散策したりする人を見かける。
2020年3月19日(木)
Hマート・ウィートン店(H Mart Wheaton)
15時頃、約1週間ぶりにHマート・ウィートン店へ。
トイレットペーパーはやはり売り切れている。冷凍の餃子も売り切れている。缶詰、キムチ、納豆は売っていたが、在庫が少なくなっている。
売り切れたり、在庫が少なくなっている商品がある一方、お米や、野菜、果物、卵、肉、魚などの生鮮食品は平常通りに販売されている。
2020年3月21日(土)
開店直後ならトイレットペーパーが入荷しているかもしれないと考え、朝の早い時間帯に買物に出かける。
CVS, University Boulevard Kensington
8時20分頃、ケンジントン(Kensington)のCVSへ。トイレットペーパーの棚は空っぽになっている。
エース・ハードウェア(ace hardware)
8時20分頃、ケンジントン(Kensington)の中型のホームセンター、エース・ハードウェアへ。トイレットペーパーの棚は空っぽ。ただし、数日前はトイレットペーパーが販売されていたとのこと。
ターゲット・ウィートン店(Target Wheaton)
8時45分頃、ターゲット・ウィートン店へ。ターゲットはディスカウントの大型スーパーマーケットのチェーンで、ウィートン店はショッピング・モールのウェストフィールド・ウィートン(Westfield Wheaton)内にある。
トイレットペーパーが販売されていることを確認。ただし、在庫は10〜15パック(1パックに8ロールが入っている)ほどで、1人に1パックまでと購入制限がなされている。
トイレットペーパーに加えて、ウェットティッシュ、消毒液など消毒のための商品、保存可能な食料品の購入制限がされているのを見かける。
- トイレットペーパー、使い捨てクレンジングクロス、手拭き・顔拭き用ウェットティッシュ、消毒用ウェットティッシュ、消毒液(ハンドサニタイザー):各種類1人1個まで
- ペットボトルの水(1パック24本入り):1人2パックまで
- 乾物(Dry Goods):箱入り食品、スープ、米・豆類、パスタ、パスタ・ソース、常温保存可能なミルク、ベーキング(缶詰・粉ミルク):各種類1人8個まで
- 卵、ミルク、バター:各種類1人2個まで
- 赤ちゃんのおしり拭き:1人4個まで
- ティッシュペーパー:1人1個まで
Hマート・ウィートン店(H Mart Wheaton)
ターゲット・ウィートン店を出て、Hマート・ウィートン店へ。
トイレットペーパーは棚が空っぽになっている。冷凍の餃子、キムチも在庫が少なくなっている。お米は販売されていたが、1人に1袋までと購入制限されている。一方、野菜、果物、卵、肉、魚などの生鮮食品は十分な数が販売されている。
2020年3月22日(日)
ポトマック川(Potomac River)
ワシントンDCのポトマック川沿いの桜並木が見頃を迎えている。ただし、今年は新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、アクセスを制限するため付近のメトロ(地下鉄)の駅が封鎖されている。
午前中、ワシントンDCを車で通りかかったところ、例年より人数は少ないようだが、ポトマック川沿を散策している人を見かけた。通行止めのため車ではポトマック川の近くまでアクセスできなかったが、徒歩ではアクセスが可能になっている。
マルイチ(Maruichi Japanese Grocery)
12時30分頃、ロックヴィル(Rockville)にある日本食材を売るマルイチへ。日本人と思われる人が数人、買物に来ているのを見かける。ほとんどの食材は販売されていたが、お米、パスタ・ソースは売り切れている。
2020年3月23日(月)
メリーランド州知事が「基幹的でないビジネス」(Non-Essential Businesses)の閉鎖措置を発表。
2020年3月26日(木)
Hマート・ウィートン店(H Mart Wheaton)
16時30分頃、Hマート・ウィートン 店へ。新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、入口脇に、8時から8時半までは高齢者のみが入店できる時間と書かれた掲示がされているのを見かける。
感染防止のため、レジの店員と買物客の間に「Sneeze Guard」(*Sneezeは「くしゃみ」の意味)と書かれたアクリル製の板が設置。アクリル板には、ソーシャル・ディスタンシングのため前後の買物客と6フィートの距離をとることが書かれている。レジを待つ人が立つ位置を示すため、床には6フィートごとに赤いテープでマーキングされている。
この日もトイレットペーパーは売り切れのままで、入荷日未定の貼り紙がされている。
キムチの棚にも入荷日未定の貼り紙がされているが、キムチは販売されている。餃子などの冷凍食品も販売されている。
野菜、果物、卵、肉、魚などの生鮮食品は十分な数が販売されている。
(メモ)Hマート以外にも、感染防止のため高齢者のみが入店できる時間帯をもうけている店舗があり、このような対応がセーフ・アワーズ(Safe Hours)、シニア・アワーズ(Senior Hours)などと呼ばれているよう。
2020年3月30日(月)
メリーランド州知事が外出禁止令(自宅待機命令/Stay-at-Home Order)を発令し、20時から発効となる。
Hマート・ウィートン店(H Mart Wheaton)
15時30分頃、Hマート・ウィートン 店へ。外出禁止令(自宅待機命令)が発効すると外出しにくくなるため、その前に食料品の買物に出かけることにしたが、みな同じことを考えたのか、普段より店は混雑している。
トイレットペーパー、キムチは売り切れ、パスタは残り3箱だけになっている。ただし、野菜、果物、卵、肉、魚などの生鮮食品は十分な数が販売されている。今まで注意して確認したことがなかったが、インスタントラーメンも十分な数が販売されている。
(メモ)アメリカ人は健康な人はマスクをしないと言われているが、Hマート・ウィートン店は店員も買物客もアジア系の人が多いためか、マスクをしている人が多い。マスクをしていないが、襟で口と鼻を覆いながら買物をしている人もいる。
2020年4月1日(水)
ウィートン ・リージョナル・パーク(Wheaton Regional Park)
13時30分頃、ウィートン ・リージョナル・パークへ。この日、公園内の何ヶ所に、ソーシャル・ディスタンシングを呼びかける掲示がされているのに気がつく。
ブルックサイド・ガーデンズの入口付近の何か所には、次のような掲示がなされている。
- 10人以上のグループで集まったり、他の人の6フィート以内に近づいたりしないでください。
- 他の人が触れる可能性のある物には触れないでください。
- 遊具の利用はご遠慮ください。
- 物理的に接触したり、器具を共有したりする活動には参加しないでください。
トレイルの何か所には、次のような掲示がなされている。
- 人混みを避けてください。
- 他の人と6フィートの距離を保ってください。
- 通り過ぎる時は、「左側を通ります」と声をかけてください。
(メモ)ソーシャル・ディスタンシングのため、なるべく人とすれ違わないようにするため、人が少ないルートを選んで歩くことを意識する。
2020年4月2日(木)
トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店(Trader Joe’s Rockville)
9時30分頃、トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店へ。トレーダー・ジョーズはスーパーマーケットのチェーン店。
入店制限をしているようで、表には入店を待つ人がが20~25人くらい待っている。入店を待つ人も、ソーシャル・ディスタンシングのため距離を空けて並んでいる。入店に時間がかかりそうでだったため、並ばずに店を出る。
ターゲット・ロックヴィル店(Target Rockville)
9時45分頃、ターゲット・ロックヴィル店へ。ターゲット・ロックヴィル店は入店制限もされておらず、買物客も少ない。入口付近では、店員が、買物カゴを消毒液で拭いているのを見かける。
トイレットペーパー、流せるウェットティッシュの棚は空になっている。時々、入荷はあるようだが、1人1パックまでという購入制限を案内する貼り紙がされている。キッチンペーパーも売り切れている。
店舗は広く、全体を歩き回ったわけでないが、ヨーグルト、小麦粉は在庫がなくなっているのを見かける。イーストが手に入りづらくなっているようだが、イーストは販売されていた。野菜、果物、肉などの生鮮食品、冷凍食品、バータ、チーズなどは棚に並んでいる。
ターゲットの店舗には有人のレジ、セルフレジがある。いずれのレジの前にも、レジを待つ人が立つ位置を示すため、床には6フィートごとに赤いマーキングがされている。
マルイチ(Maruichi Japanese Grocery)
ターゲットを出た後、10時過ぎにロックヴィル(Rockville)にある日本食材を売るマルイチへ。開店直後だったせいか、表には商品を入荷するトラックが停まっている。買物客は誰もいない。
10日前に買物に来た時には売り切れていたお米、パスタ・ソースも販売されている。ほとんどの商品が販売されているように感じる。
(メモ)小麦粉、イーストが手に入りにくいのは、自宅で過ごす人が長くなった人がパンを作り始めたのが原因ではないかと言われている。
2020年4月3日(金)
夕方、近所にお住まいの白人の80代の女性がマスクをしているのを初めて見かける。
(メモ)この日、アメリカ疾病予防管理センター(CDC:Centers for Disease Control and Prevention)がマスクの使用を推奨する発表を行っており、アメリカでも外出時のマスクが普及しつつあるのかもしれない。
2020年4月4日(土)
モンゴメリー郡リキュール&ワイン(Montgomery County Liquor & Wine)
16時半頃、ケンジントン(Kensington)にある酒屋のモンゴメリー郡リキュール&ワインへ。キュール&ワインは入店制限がされており、表には5人ほどが間隔を空けて並び、入店を待っている。
入口に店員が立っていて、1人が買物を終え外に出てくる度に、1人を店内に誘導。店内に入る買物客は10人に制限されているよう。レジには店員と買物客の間に、飛沫防止のアクリル板が設置されている。
2020年4月5日(日)
ジャイアント・フード(Giant Food, 13781 Connecticut Ave)
10時頃、ジャイアント・フードへ。ジャイアント・フードはスーパーマーケットのチェーン店営業時間が6時~22時と変更されており、このうち6時~7時は高齢者と免疫システムが弱っている人のための専用の時間とされている。
表にはオンラインで注文し、店舗でピックアップするのを呼びかける大きな掲示。
日曜の午前中のためか買物客はそれほど多くはない。パスタ、パンの在庫が十分にあるのを見かける。
レジの店員と買物客の間には、アクリル製のグラスが設置されている。レジを待つ人が立つ位置を示すため、床には6フィートごとに赤いマーキングがされている。
ルーツ・マーケット(Roots Market)
12時頃、ルーツ・マーケットはオルニー(Olney)にあるオーガニックの食材を販売する食料品店。他の食料品店に比べて値段は高めだとのこと。トイレットペーパーの在庫が十分にあり、1ロールごとに販売されている。
店内には、買物客にソーシャル・ディスタンシングを呼びかける次のような掲示がされているのを見かける。
お客様へ
CDC(アメリカ疾病予防管理センター)のガイドラインに基づき、当面の間、店員にソーシャル・ディスタンシングを実践することを指示しました。
お客様にも、同じようにしていただくことを勧めます。
ご来店いただく全ての皆様がより安全に買物できるようにするためにご理解、ご協力いただきありがとうございます。
レジには、店員と買物客の間に、アクリル製のグラスが設置されている。
2020年4月9日(木)
Hマート・ウィートン店(H Mart Wheaton)
8時45分頃、Hマート・ウィートン店へ。アメリカでもマスクを着用する人が増えており、この日初めてマスクをして買物をする。
朝早い時間のためか買物客は15~20人くらいと少ない。この日はトイレットペーパー、キッチンペーパーが数個ずつだったが販売されているのを見かける。野菜、果物、肉、魚、卵などの生鮮食品、お米、インスタントラーメンなどは十分な数が販売されている。キムチも棚に並んでいる。
2020年4月12日(日)
今日はイースター(復活祭)。例年、イースターの夕食は、親しい人を家に招いて食事会を開く人が多いようだが、今年はそのような食事会は中止になっているのではないかとのこと。
セニカ・クリーク州立公園(Seneca Creek State Park)
10時15分頃、セニカ・クリーク州立公園へ。セニカ・クリーク州立公園はポトマック川に通じる14マイルのセニカ・クリークに沿った2,500ha(6,300エーカー)の公共のレクリエーション・エリア。公園内にはハイキング、サイクリング、乗馬のためのトレイル、ボート、釣りの施設がある。
公園では散歩している人、ジョギングしている人、サイクリングしている人、釣りをしている人、湖の岸辺に座り話をしている人、ボートに乗っている人を見かける。中には芝生の広場にテントを張っている人もいる。
掲示板にはソーシャル・ディスタンシングのガイドとして、次のような掲示がなされている。
ソーシャル・ディスタンシングのガイド
- 10人以下のグループのみで集まってください。
- 他の人が周りにいる場合は、可能な限り6フィートの距離を保ちましょう。ハグ、握手、大人数での集まり、近距離での行動は避けてください。
駐車場近くには大きな遊具のある子どもの遊び場があるが、感染防止のためロープが張られ立入禁止とされている。
日曜の午前中で、時々小雨がぱらつく曇天だったためか、トレイルを歩いている人はそれほど多くはない。すれ違う時は右側に寄ったり、どちらかが脇に避けたりと、なるべく互いに距離を空けることを意識する人が多い。
(メモ)「アジア人=感染者(感染源)」という視線を感じるため、すれ違う時は足早に通り過ぎたりすることも意識しまう。ただし、中には人種に関わらず、「Hi」、「Hello」と声をかけられたり、声かけに応答してもらったりすることもあり、そのような場合は温かい気持ちになる。
2020年4月13日(月)
ウィートン ・リージョナル・パーク(Wheaton Regional Park)
16時30分頃、ウィートン ・リージョナル・パークへ。森林内のトレイルで、男性がすれ違い時にVサインをしてくださる。
2020年4月14日(火)
ウィートン ・リージョナル・パーク(Wheaton Regional Park)
15時30分頃、ウィートン ・リージョナル・パークへ。森林内のトレイルで、2人の白人の若い女性が、すれ違いに道を譲り、手を振ってくださる。
2020年4月15日(水)
メリーランド州で、レストラン、食料品店を含む小売店の顧客、及び、公共交通機関の利用者がマスク、フェイスカバーを着用することを義務化する知事令が発令される。この命令は2020年4月18日7時から有効となる。
2020年4月16日(木)
ザ・ホーム・デポ・アスペン・ヒル店(The Home Depot, Aspen Hill)
11時15分頃、ザ・ホーム・デポ・アスペン・ヒル店へ。ザ・ホーム・デポは大型のホームセンター。多くの人が買物に来ているようで、大きな駐車場の8割くらいが埋まっている。
出入口が2箇所があるが、片方が入口専用、もう片方が出口専用とされていた。入場制限がされており、表には15人ほどが少しずつ距離を置いて並んでいる。5分ほど待ち、入口のところの店員の案内に従い、入店する。
先日、マスクやフェイスカバー着用を義務化する知事令が出された。知事令が有効になるのは2020年4月18日7時からだが、店員、買物客ともほぼ全員がマスクやフェイスカバーを着用していた。手袋をしている人も多く、半分以上の人が手袋をしている。
店内は混雑とまでは言えないが、それぞれのレジには数人ずつが並んでいる。ソーシャル・ディスタンシングのため、レジを待つ人が立つ位置が、ビニルテープで示されている。
2020年4月19日(日)
ウィートン・クラリッジ・ローカル・パーク(Wheaton Claridge Local Park)
ウィートン・クラリッジ・ローカル・パークはモンゴメリー郡にある公園で、公園内には集会所のような建物、バスケットボール・コート、遊具のある遊び場、ピクニック・エリア、トレイルなどがある。
ウィートン・クラリッジ・ローカル・パークでも遊び場に、ウィートン・リージョナル・パークと同じ掲示がされている。
- 10人以上のグループで集まったり、他の人の6フィート以内に近づいたりしないでください。
- 他の人が触れる可能性のある物には触れないでください。
- 遊具の利用はご遠慮ください。
- 物理的に接触したり、器具を共有したりする活動には参加しないでください。
掲示には「遊具の利用はご遠慮ください」と書かれているが、遊具は自由に使えるようになっており、遊具や、遊具の周りで遊んでいる子どももいる。
ハイランド小学校(Highland Elementary School)
ハイランド小学校の前で、新型コロナウイルス感染症の感染防止のため休校になっている期間、子どもたちに昼食を提供するサービスの掲示板を見かける。
2020年4月21日(火)
Hマート・ウィートン店(H Mart Wheaton)
感染防止のため買物に行く回数を減らしており、2週間弱ぶりにHマート・ウィートン店へ。なるべく人のいない時間帯ということで開店直後の8時30分頃に買物に行く。
Hマート・ウィートン店には出入口が2つあるが、今日訪れると1つの出入口が閉鎖されている。利用されている出入口の前には、開店を待つ人が10人ほど、ソーシャル・ディスタンシングのため距離を空けて並んでいる。
入口のところには1人の店員が立っている。特に何もしていないように見えたが、買物客がマスクをしていることの確認をしているのかもしれない。
トイレットペーパー、キムチが売り切れているのを見かけたが、その他はほぼ販売されていたように見えた。
ルーツ・マーケット(Roots Market)
ルーツ・マーケットに来るのも約2週間ぶり。ルーツ・マーケットでも、入口に1人の店員が立っていた。
床には赤、黄色、オレンジ、水色で次のようにソーシャル・ディスタンシングを呼びかける掲示が貼られている。2週間前に訪れた時よりも掲示が増えている。
- ソーシャル・ディスタンシングを実践して、皆の安全を確保してください。
- 6フィートのソーシャル・ディスタンシングが効果的です。
- 注意:6フィート離れて立ってください。
最近は、どの店でも小麦粉が売り切れている。外出禁止令(自宅待機命令)で家で過ごす時間が増えた人がパンを焼いているから、と言われる。ルーツ・マーケットでも小麦粉の在庫は数袋だけであり、棚の前を通りかかった時にも2人の女性が小麦粉を買っていた。
2020年4月23日(木)
モンゴメリー郡リキュール&ワイン(Montgomery County Liquor & Wine)
12時前にケンジントン(Kensington)にある酒屋のモンゴメリー郡リキュール&ワインへ。表には5人ほどが間隔を開けて並び、12時の開店を待っている。
12時の開店と同時に入店。
店内の床には、ソーシャル・ディスタンシングのため6フィートごとに青いテープが貼られている。入口付近は一方通行になっており、青いテープで進行方向が示されている。いずれも、2020年4月4日に買物に来たときは見かけなかった。
12時10分頃、買物を終えて店を出る。一度に入店できる人数が制限されており、表では6〜7人が並んで入店を待っていた。
外出禁止令(自宅待機命令)が出されてから、アメリカでは自宅でのアルコール消費量が増加しているという話を聞く。
2020年4月28日(火)
ウィートン・クラリッジ・ローカル・パーク(Wheaton Claridge Local Park)
ウィートン・クラリッジ・ローカル・パークを通りかかったところ、遊具が利用できないように囲いがされているのを見かける。囲いは、2020年4月19日に通りかかった時にはされていなかったので、その後に設置されたもの。
以前から遊具の利用禁止を呼びかける掲示はなされていたが、遊具を利用している人も見かけた。掲示だけでは効力がないと考えられたのだと思われる。
2020年4月30日(木)
トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店(Trader Joe’s Rockville)
10時頃、トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店を通りかかった時、表で入店を待っている人が10〜15人ほどと少なかったので、列に並ぶこととする。今日は雨のため、買物客が少ないのかもしれない。
感染防止のため、トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店では様々な対応がされている。
表には次のように、買物客が持参する買物袋の停止し、代わりに通常は有料で販売されている買物袋を無料で提供することが記載されている。
お客様へ
現在の環境を考慮し、全ての再利用可能なバッグの利用を一時的に停止しています。
購入された商品は、無料で提供する紙袋に入れてお渡しします。
入口には店員が1人立っており、入店する人数の制限と、消毒液によるショッピングカートの清掃を行なっている。
10分ほど並んだ後、店員に案内され入店する。
スマートフォンの買い物リスト、紙に書いた買い物リストを見ながら買い物をしている女性を2人見かけた。
店内をくまなく歩き回ったわけではないが、棚にはいつものように商品が並んでいる。ただし、小麦粉は売り切れていた。
レジの前には、買物客同士が近づかないよう、並ぶ位置が青いテープで記されている。
レジの入口にも青いテープが貼られている。店員がレジで精算をしている間、買物客はレジの前に行かず、入口の青いテープの位置で待つことが掲示されている。購入した商品は、店員が紙袋か段ボール箱に詰めて、ショッピングカートに入れてくれる。
精算が終わった後、レジに進んで代金の支払いを行う。レジの店員と買物客の間には、アクリル製の板が設置されている。
ショッピングカートを押して、出口に向かう。出口の外にはテーブルが置かれており、持参した買物袋に商品を入れる場合は、このテーブルで行うようにされている。
(メモ)新型コロナウイルス感染症が起きる前に比べると、買い物の仕方も大きく変化している。マスクをつけたり、入店制限のために表で並んだり、持ち込んだバッグへの詰め込みを店外で行ったりと不自由なこともある。トイレットペーパー、小麦粉など未だに入手しにくいこともある。これらは確かに不便なこと。けれども、今日、トレーダー・ジョーズ・ロックヴィル店での買物の様子、特に買物リストを見ながら必要な商品をピックアップしていく人の様子を見て、この対応を粛々と受け入れているように感じた。
国家非常事態が宣言された直後はみながパニックになっているような印象を受けたが、それから約1ヶ月半が経過し、こうした買物の仕方に慣れてきたということなのかもしれない。
(更新:2020年6月1日)