『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

地域の人々が集まる場所が担える役割:居場所ハウスの出来事から

2024年5月6日(月)、「居場所ハウス」に、「見学に来ました」とやって来られた方がいました。
話を伺ったところ、毎月発行している「居場所ハウス」の通信に、「みなさん持ち寄りの販売コーナーあります!」、「何かご自分の作品や産物を売ってみませんか?」と書かれているのを見て、母親が作った小物を飾ってもらえないかと考えて、やって来られたとのこと。
「売れるとは思ってないけど、1人で作って、茶の間に飾ってるだけでは張りあいがないから。みんなに見てもらえるだけでも」。いくつか小物を持参されたため、お預かりして、「居場所ハウス」内に展示させていただくことにしました。

この出来事を見て、自身が作った作品を誰かに見てもらえるということも、大切な社会との接点になるのだということ、地域の人々が日常的に出入りしている「居場所ハウス」ではこの点でも貢献できるということを実感しました。

同じ日の午後、末崎中学校の生徒が、2024年5月11日(土)に開催される運動会のポスターを持参しました。「居場所ハウス」に飾って欲しいとのこと。
末崎中学校は、大船渡中学校との統合のため、今年度(2025年3月)で閉校することが決まっています。そのための次の運動会が、末崎中学校の最後の運動会となります。

社会との接点として作品を展示できること、運動会のポスターを展示できること。これらは、「居場所ハウス」が地域の人々が日常的に出入りしている場所担っているからこそ担える役割です。「居場所ハウス」にはこのような役割も担えるのだということに気づかされた1日でした。