ニューディール政策によって作られたアメリカ・ワシントンDC郊外にあるグリーンベルト(Greenbelt)は、今年(2012年)、まちびらきから75周年を迎えます。
グリーンベルトでは75周年記念として、1年間を通じて様々な記念行事が開催されています。また、以下のような様々な75周年記念グッズが制作・販売されています。
グリーンベルトまちびらき75周年記念グッズ
- 記念ポスター($3)
- Tシャツ(黒・白)($15)
- 書籍(Arcadia Images of America: Greenbelt)($20)
- バックパック・トート(鞄)($20)
- マグカップ
- ペン($1)
- 鉛筆($0.5)
- 記念タイル 4枚セット($125) 1枚($35)
どれも魅力的なグッズです。
記念タイルは、グリーンベルトのアーティストが、グリーンベルトを代表する4つの景色をもとに作成したもので、こちらのページでタイルの制作の様子が紹介されています。
グリーンベルトでは、街にアーティストを招くためにアーティスト・イン・レジデンスというプログラムが行われています。
アーティスト・イン・レジデンス
アーティストがある地域に一定期間滞在し、地元での生活を通じて創作・研究活動を行うこと。レジデンシィ。創造活動の刺激となるような新しい創作環境をアーティストに提供することが目的であったり、地域社会とアーティストとの交流で地域活性化を目指したりなど、いろいろな展開がある。欧米では60年代ごろから始まり、滞在先は”地域”に限らず、学校や美術館など”機関”の場合もある。
*「メセナ用語集」より。
グリーンベルトでは、かつて小学校だった建物がコミュニティ・センターとなっていますが、コミュニティ・センター内のいくつかの部屋(かつての教室)が、アーティスト・イン・レジデンスのためのスタジオとされています。
毎月第1日曜日はArtful Afternoon(アートフル・アフタヌーン)というプログラムが開かれ、街中でアートにまつわるイベントやワークショップが開かれますが、この日にスタジオを開放するアーティストもいます。75周年記念タイルも、コミュニティ・センター内のスタジオで制作されました。
Artful Afternoon(アートフル・アフタヌーン)とスタジオ開放の案内ポスター。
アーティスト・イン・レジデンスのスタジオがあるフロア。
75周年記念タイルは、街とアートの、街の人々とアーティストの距離が近い、グリーンベルトならではのグッズだと思います。
千里ニュータウンでは、近年では集合住宅の建替えで若い世代が入居しているため、一時に比べると子どもの数は増えていますが、まだ空き教室がある小学校もあると聞きます。空き教室をアーティスト・イン・レジデンスのために開放するという可能性もあるかもしれません。
日本では、アートが指摘(プライベート)に楽しむもの、個人的な教養として身につけるものと見なされる傾向があると感じますが、アートとは街を、公的(パブリック)なものを築きあげていくための媒介として大切なもの。グリーンベルトを訪れると、このようなことも感じます。
(更新:2020年3月9日)