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アメリカ・ワシントンDCの新型コロナウイルス感染症への対応(2020年3月~5月)

※ワシントンDCのその後の状況はこちらを参照。
※ワシントンDCにおける対応を時系列で整理した情報はこちらを参照。


2020年5月25日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応として発令されていた緊急事態宣言が解除されました。第二波、第三波のリスクも懸念されているため、感染防止の対策は今後も必要になると思いますが、これから社会を再開する動きが進んでいくと思います。

ここで紹介するアメリカ東海岸のワシントンDCでも、5月末になると社会を再開する動きが見られるようになりました。ワシントンDCではどのようなタイミングで、どのような施策がとられたのかについての情報を共有することで、何らかの参考になればと思います。

なお、紹介しているのは記事を投稿した時点での情報であるため、感染の流行によっては大きく情報が変わる可能性があります。

ワシントンDCの対応

アメリカでの新型コロナウイルス感染症の感染者は、2020年1月21日に西海岸のワシントン州で初めて見つかりました(※Wikipediaの「アメリカ合衆国における2019年コロナウイルス感染症の流行状況」のページより)。ワシントンDCで初めての感染者が見つかったのは、それから約1ヶ月半後の2020年3月7日。感染者の行動履歴の調査が行われ、接触した可能性がある人が自宅で自己隔離することが推奨されました。

3月11日にはヒト・ヒト感染を含む新たな感染者が確認されたことが発表され、「非常事態」(State of Emergency)、および、「公衆衛生上の緊急事態」(Public Health Emergency)が宣言されました。また、1,000人以上が集まる不可欠でない大規模集会・会議を延期または中止すること、1,000人に満たない場合でも社会、文化、娯楽イベントの開催を主催者側が再検討することが推奨されました。
3月13日にはトランプ大統領が国家非常事態を宣言。この日、ワシントンDCでは、DC政府にテレワークを導入すること、3月16日から公立図書館を閉館すること、3月17日から公立学校を休校にすることなどの措置が発表されました。

3月16日から50人以上の集会禁止、レストランおよび居酒屋(Taverns)でのテーブル席の停止、DCメトロの減便、3月17日からクラブ、多目的施設、ジムクラブ、スパ、マッサージ、劇場の営業停止と、禁止される集会と閉鎖される施設の種類は徐々に増えていきます。

ワシントンDCのタイダル・ベイスン(Tidal Basin)周辺は桜の名所となっています。例年は多くの人で賑わいますが、今年は花見のためにDCメトロ・バスを利用しないようにするために、タイダル・ベイスン(Tidal Basin)周辺の駅が閉鎖されることとなりました。

基幹的でないビジネスの営業停止

3月24日には「基幹的でないビジネス」(Non-Essential Businesses)の営業停止の措置が発表(3月25日22時から発効)。「基幹的でないビジネス」にはツアーガイド、小売服店、美容院、理髪店、ジム、映画館などが含まれること、営業を継続できる「基幹的なビジネス」(Essential Businesses)であっても対面ビジネスを行なう場合はソーシャル・ディスタンシング(Social Distancing)として6フィート(約1.8メートル)以上の間隔をあけるのを遵守することが発表されています。

外出禁止令(自宅待機命令)

3月30日には外出禁止令(自宅待機命令:Stay-at-Home Order)が発令されました(4月1日午前0時1分から発効)。主な内容は以下の通りです。

  • 以下の例外を除き、全てのDC市民が自宅に滞在するよう命ずる。
    □遠隔医療では提供できない医療を受けたり、食料や生活必需品を入手したりするなど、不可欠な活動(Essential Activities)に従事する場合
    □不可欠な政府機能(Essential Governmental Functions)を運用または訪問する場合
    □基幹的なビジネス(Essential Businesses)で働く場合
    □不可欠な移動(Essential Travel)に従事する場合
    □市長令で定義されている「許容されるレクリエーション活動」(Allowable Recreational Activities)に従事する場合
  • アパートの共通エリア(ジム、ラウンジ、ルーフトップ等)の使用を禁止
  • 不可欠な移動(Essential Travel)に従事する場合に公共交通機関を利用する者は、ソーシャル・ディスタンシング(Social Distancing)を遵守
  • 3月24日に発出した市長令に定める通り、基幹的なビジネス(Essential Businesses)のみの運用を許可。
  • 本令に故意に違反した個人または団体は、1,000ドルの罰金、営業の一時停止、または免許の取り消しを含む制裁措置や罰則を含む民事、刑事、行政上の罰則の対象となる。また、本令に故意に違反した個人は、軽犯罪の有罪として、5,000ドル未満の罰金、もしくは90日未満の禁錮、またはその両方が科される可能性がある。

※2020年3月30日配信の在アメリカ合衆国日本国大使館「領事メール」より。ただし、表現を改めている部分がある。

外出禁止令(自宅待機命令)下においても外出が可能な「許容されるレクリエーション活動」(Allowable Recreational Activities)は次のように定められています。

「許容されるレクリエーション活動」(Allowable Recreational Activities)とは、世帯員との屋外活動(outdoor activity with household members)で、ソーシャル・ディスタンシングの要件(Social Distancing Requirements)に準拠し、活動前後に使用機器の消毒を行うものを意味する。世帯員以外との屋外活動をしてはならない。

例:ウォーキング、ハイキング、ランニング、犬の散歩、サイクリング、ローラーブレード、スクーター、スケートボード、テニス、ゴルフ、ガーデニングと、その他、参加者全員がソーシャル・ディスタンシングの要件を遵守し、人と人との接触がない活動
※「Mayor Bowser Issues Stay-At-Home Order」March 30, 2020の翻訳(一部省略)


4月8日には、市長令「公衆衛生上の緊急事態期間中の食品販売業者に求められるソーシャル・ディスタンシングの手順と、ファーマーズ・マーケットとフィッシュ・マーケットの運営要件」が発令され、食料品店には買い物客がマスク着用を指示するなどの看板を掲示すること、入店する客の数を制限する等の対応が求められました。
4月15日にはタクシー、ライドシェア、民間輸送業者等の利用者、ホテルの宿泊客にもマスク着用が義務化されました。

DC再開

このように感染防止のための様々な対応がとられている一方、4月中旬以降には感染防止の対応によって停滞している社会をどう再開するかの提案が見られるようになっています。
4月16日にはトランプ大統領がアメリカ再開のためのガイドライン『オープニングアップ・アメリカアゲイン』(Guidelines for Opening Up America Again)を発表しました。

4月23日にはワシントンDC市長が『DC再開』(Reopen DC)を発表。これは、3つのフェーズによって社会を段階的に再開していくという提案です。

2020年4月23日木曜日に、ボウザー市長は『DC再開』(ReOpen DC)の計画を発表しました。市長は、我々の街を再開するだけでなく、より公平なDCを築くための一世代に一度の機会だと述べました。安全で持続可能な回復のためには、測定し、データに基づき(Data-driven)、そして、慎重に行う必要があります。『DC再開』は安全で持続可能な方法でDCを再開するために、コミュニティとして協力することです。我々は、一緒に、科学に基づき、コミュニティのニーズに合わせた計画を作成します。

『DC再開』は、ジョンズ・ホプキンズ・ブルームバーグ公衆衛生大学院(Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health)のレポート『Public Health Principles for a Phased Reopening During COVID-19: Guidance for Governors』に準拠し、公衆衛生上の重要な指標と能力に基づいた段階的な対応が含まれています。また、コミュニティベースのガイドライン、セクターベースのガイダンス、明確なコミュニケーションに焦点を当てた内容も含まれています。
※「ReOpen DC」のページの翻訳。

『DC再開』では、再開のプロセスが3つのフェーズで捉えられており、『DC再開』は2番目の安定化(Stabilization)のフェーズに焦点を当てるものとされています。

  • (1)緊急対応(Emergency Response):現在のフェーズ。
  • (2)安定化(Stabilization):『DC再開』が焦点を当てるフェーズで、制限を緩和するが、ネガティブな指標を注意深く監視し、迅速に対応する。
  • (3)長期的な回復(Long-term Recovery):新しい、よりレジリエントな正常な状態(New, more resilient normal)を見つける方法。このフェーズは、ワクチンが広く入手可能になったときに開始される可能性が高い。

『DC再開』の作成にあたって重視されるのが、HOPEと呼ばれる健康(Health)、機会(Opportunity)、繁栄(Prosperity)、公平(Equity)の4つの価値です。

健康(Health):健康で安全な市を大切にしています。これは、住民の健康の確保に加えて、健康状態の改善、より応答性の高い緊急サービスの開発、健康的な環境、交通事故による死傷者の減少、犯罪の減少を優先するための機会です。

機会(Opportunity):住民が力強く生きる機会を作ることを大切にしています。復興を通して、活気のある雇用市場のサポートと、教育とトレーニングを通じた新しい雇用機会の計画により、住民が目標を達成することをサポートします。中小企業や起業家がより強く戻ってくるために、技術的および財政的にサポートします。

繁栄(Prosperity):活気のある市を大切にします。市を再スタートすることは、ビジネスと住民にとって重要であり、責任を共有することです。学校、インフラ、社会サービス、保育、世界クラスの場所と空間(World-class places and spaces)、そして、家族のための住宅への重要な投資をサポートするために、政府と企業の強力な財政回復を確実にする必要があります。

公平(Equity):最も弱い立場にある人々(Most vulnerable)のための結果の改善を大切にします。アフォーダブル・ハウジング、便利で健康的なコミュニティ、健康的な食品、地元のビジネス開発、小売店の選択肢(Retail options)、素晴らしいコミュニティ施設は、最も必要とするコミュニティに資源を集中させることで、自宅の近くで、そして、市の全ての近隣で見つかるようにするべきです。
※「ReOpen DC」のページの翻訳。

DC再開諮問グループによる提言

『DC再開』のために、DC再開諮問グループ(ReOpen DC Advisory Group)が立ち上げられました。2020年5月21日、諮問グループは『DC再開:市長への提言』を公表しました。
ここでは次の4つのステージにより段階的に社会を再開することが提言。ステージ1から3までは全般的な安全対策(Universal Safeguards)を取ることが強く推奨されており、効果的なワクチンまたは治療法が実現した後、ステージ4の「ニューノーマル」(新しい日常)へと移行するとされています。

  • ステージ1:ウイルス感染の減少(Declining virus transmission)
  • ステージ2:地域的な感染のみ(Only localized transmission)
  • ステージ3:散発的な感染(Sporadic transmission)
  • ステージ4:効果的なワクチンまたは治療法(Effective vaccine or cure)

※ReOpen DC Advisory Group『ReOpen DC: Recommendations to the Mayor』(May 21, 2020)の翻訳。

全般的な安全対策は、他者との6フィートの距離を取るフィジカル・ディスタンシング、マスク着用、清掃や消毒、個人防護具(PPE)の供給、教育、検査や隔離へのアクセスなど多岐にわたる内容があげられています。

また、ステージを移行する基準として、次の4点があげられています。

  • コミュニティにおける広がりのレベル(感染率など)
  • 医療システムの能力(サージ(Surge:押し寄せ)のない十分な医療の能力など)
  • 検査能力(全ての優先するグループを検査する能力など)
  • 公衆衛生システムの能力(全ての新規症例とその濃厚接触者に対する十分な接触者追跡(contact tracing)の能力など)

※ReOpen DC Advisory Group『ReOpen DC: Recommendations to the Mayor』(May 21, 2020)の翻訳。

外出禁止令(自宅待機命令)の解除

ステージを移行する基準を満たしたという判断から、5月29日に外出禁止令(自宅待機命令:Stay at Home Order)が解除され、「Stay at Home Light」(軽い自宅待機)となり、再開フェーズ1に移行しました。

フェーズ1への移行により、次のようなビジネスや活動が再開可能となりました。

  • 小売店:基幹的でない小売ビジネスは、カーブサイド・フロントドアのピックアップまたはデリバリーで営業可能。顧客が店内に入ることは禁止。
  • 理髪店と美容院:予約限定、6フィート確保のもと営業可能。店内での待機は禁止。Waxing、 Electrolysis、 Threading、 Nail Careは引き続き禁止。
  • レストラン:テイクアウト、デリバリー、グラッブアンドゴーに加え、屋外席を利用可能。顧客は屋外席で着席した上で注文。全てのテーブルは少なくとも6フィート間隔。一つのテーブルに6人まで着席可。現在、屋外席利用の許可がないレストランもあるが、レストラン・小売店・レクリエーション用に歩道を拡大する方向で調整している。
  • 公園・レクリエーション:DC政府管轄の公園、ドッグパーク、ゴルフコース、テニスコート、陸上競技場は利用可能。プレイグラウンド、公共プール、レクリエーションセンター、その他屋内施設は引き続き閉鎖。バスケットボール・フットボール・サッカーは引き続き禁止。
  • 市長の特別TFグループは、地区交通局と協力して、歩道・道路・路地、またはその一部を含む公共スペースを特定し、特定の日及び時間帯に車両通行を禁止して、歩行者の拡大を可能にする予定。
  • 待機的手術:フェーズ1の間、医療提供者は、病院の収容能力や新型コロナウイルス感染症関連リソースに過度の負担をかけない外来またはその他の外科処置の提供または再開を継続する場合がある。
  • フェーズ1の間は、政府だけでなく全ての労働者がテレワークを継続することを奨励する。

※2020年5月27日配信の在アメリカ合衆国日本国大使館「領事メール」より。ただし、表現を改めている部分がある。

フェーズ1への移行により暮らしは変わりますが、非常事態宣言・公衆衛生上の緊急事態宣言は継続され、10人以上の集会も引き続き禁止されています。また、マスク着用、ソーシャル・ディスタンシング、手洗いが求められることに変わりありません。

なお、車道の一部レーンを閉鎖し、レストランなどの屋外ダイニングのスペースに充てるストリータリー(streatery)の設定が発表されるなど、社会の再開はパブリックスペースの再編を伴ったものになっています。


このように社会を再開する動きが見られるようになりましたが、ワシントンDCでもミネアポリス市で5月25日に発生した黒人男性死亡事件に対するデモが行われています。これを受け、5月31日23時~6月1日6時には夜間外出禁止令(curfew)が発令。新型コロナウイルス感染症による外出禁止令(自宅待機命令:Stay at Home Order)が解除された直後に、別の夜間外出禁止令(curfew)が発令されるという事態となっています。

ワシントンDCでは、感染防止のための様々な対策が取られ、社会を再開する動きも見られるようになってきました。これらに加えて、特に4月に入ると暮らしをサポートする対策や検査体制の拡充に関する発表がされてきたことにも気づかされます。例えば、次のような対策です。

  • 隔離等で自宅から出られない、または、家族等の助けが得られないDC市民に必須の食料品を届けるサービスを開始する(4月9日の記者会見)。
  • DC公立学校(DCPS)での食料品配布が4月13日から開始。学生および高齢者への食事配布とは別途行われるもので、食料品を入手できない脆弱な家族向けであり、先着順・無料で配布される(4月9日の記者会見)。
  • DC住民が不可欠な運動を行うスペースを確保するための措置として、4月30日までRock Creek Park、Anacostia Park、Fort Dupont Parkの車道を閉鎖する(4月13日の記者会見)。
  • 自宅から出られないDC市民が食料品等の要請を行うためのホットラインおよびオンラインフォームを開設(4月13日の記者会見)。
  • 子どものストレス管理のため、親向けのバーチャルワークショップを開催している(4月17日の記者会見)。
  • 家庭内暴力(DV)を受けている者へのホットラインを紹介(4月20日の記者会見)。
  • DC保健当局が、検査基準・優先グループを拡大し、新型コロナウイルス感染症に感染した経歴を持ち、かつ、リスクが高いグループに属している無症状の一部の個人に検査の優先順位を付けることを許可(4月22日の記者会見)。
  • 4月24日から通常の失業保険に当てはまらない労働者(フリーランス、ギグワーカー、自営業者等)は、CARES法によって設立されたパンデミック失業援助(PUA)に申請開始できる(4月23日の記者会見)。
  • 検査の優先基準を拡大し、陽性が確認された患者と接触歴のある無症状の重要インフラ労働者を含めることを発表。これには、食料品店の従業員、基幹的な政府職員、その他DCにおいて継続して職場に出勤している労働者が含まれる(4月28日の記者会見)。
  • 自己隔離(Isolating)のアドバイス:同居者と部屋を別にする、家庭用品を共有しない、マスク着用。家庭内で自己隔離できない場合はホットラインに電話すること(5月8日の記者会見)。
  • 新型コロナウイルス感染症への曝露率調査のため、抗体検査を実施する。調査は医療従事者、第一線従事者、エッセンシャルワーカー、集合施設に住む個人などを含む、曝露のリスクが高い個人に焦点をあてて実施(5月11日の記者会見)。
  • サマーキャンプは、自宅キャンプ(「Camp-at-Home」:5,000人の子どもに無料で活動用のキットを提供)、または、フェーズ2に移行している場合は、屋外キャンプ(「Fun & Sun Camp」:2週間の屋外キャンプ、27か所で実施)を開催すると(5月22日の記者会見)。
  • DC公立学校のサマースクールは、6月22日から7月24日までオンラインで開催する。フェーズ2に移行している場合、グレード3、6、9に進級する生徒に焦点を当てたサマーブリッジ・プログラムを8月初めに対面で行う(5月22日の記者会見)。

※在アメリカ合衆国日本国大使館「領事メール」より。ただし、表現を改めている部分がある。


このように、ワシントンDCでは3月7日の最初の感染者の発見から2週間余りで「基幹的でないビジネス」の営業停止措置、3週間余りで外出禁止令(自宅待機命令)、6週間弱でマスク着用の義務化が出されています。そして、4月下旬には『DC再開』が発表、5月下旬には『DC再開:市長への提言』が公表。5月末に外出禁止令(自宅待機命令)が解除され、再開フェーズ1に移行しました。

ワシントンDCのこのような動きを振り返ることで、次のようなことに気づかされます。

  • 「基幹的でないビジネス」の営業停止、外出禁止令(自宅待機命令)、マスク着用の義務化というように、感染防止のための厳格な対応が早期に出されていること。
  • どのようなビジネスが禁止されるのか、どのような活動が禁止されるのかなどが罰則を伴う法として明確に定められていること。
  • 社会を再開するための条件とロードマップが明確にされていること。
  • 最初に厳格に定めた禁止事項を、条件を満たすことで徐々に緩めていくアプローチがとられていること。
  • 社会を再開するとは、決して元の状態に戻すことではなく、新たな価値を生み出す機会と捉えられていること。

なお、ビジネスや活動を禁止するだけでなく、大人は最大1,200ドル(約13万円)、子どもには500ドル(約5万5千円)という迅速な現金給付とセットになっていることは忘れてはなりません(※「米上院、コロナ経済対策を可決 下院送付、27日成立か」・『東京新聞』2020年3月26日)。

ワシントンDCの動きは、行政からの要請を受けたり、世間の目に対応したりすることで、あくまでも「自粛」として感染防止が行われており、検査数の少ない日本の状況とは大きく異なります。感染者数や死亡者数はアメリカの方が圧倒的に多く、国による状況も違うためアメリカと日本のどちらの対応が良いかは単純に比較できませんが、この点については、後から振り返った検証が行われると考えています。