『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

Ibashoネパールのメンバーが大船渡を訪問しました③

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大船渡の訪問を終えた翌日、翌々日の2016年10月24〜25日、Ibashoネパールのメンバーは、ワシントンDCのIbasho、世界銀行のスタッフらと意見交換会を行いました。
今回の大船渡訪問で学んだことをみなで振り返り共有することと、これからIbashoネパールでどのような活動を進めていくかを話し合うことが目的です。

最初に、大船渡滞在中に撮影した写真を順番に見ながら、何を学んだかを振り返っていきました。

1日目に訪問した大船渡漁協については、復興において生業を安定させることが大切なこと、協力の重要性という意見。災害公営住宅については、集会室で行われていたカラオケに参加できたことがよかったようで、同じような活動はできなくても、共に活動することをやっていきたいと話されていました。仮設住宅では、談話室に飾られていた手芸、小物はすぐにでも自分たちでも取り組めるものだと話されていました。

2日目に訪問した「居場所ハウス」について、1人の方が次の5つの点が参考になったと話されていました。①地域の人々が協力していること、②高齢者もお客さんではなく、活動に寄与できる場所になっていること、③高齢者の経験を伝えることができる場所になっていること、④若い人が学べる場所になっていること、そして、⑤ゲストを迎え入れる場所になっていること、の5点です。
地域の人々が協力して活動していることを見れてよかったし、朝市、農園、新聞のブローチはIbashoネパールの活動にも大変参考になったとのこと。

大船渡訪問で学んだことを振り返った後、Ibashoネパールでこれからどのような活動を進めていくかを話し合いました。
現在、Ibashoネパールでは、農園での野菜作り、鉢植えの花の栽培、堆肥作りの3つのプロジェクトを進めています。これらの3つのプロジェクトを安定させながら、野菜や花の種類を少しずつ増やしいったり、土作りをしていきたいと話されていました。また、新聞のブローチについては、今週の土曜日に女性グループの集まりがあるので、その時にみなに紹介して、作っていきたいと話されていました。


Ibashoネパールのメンバーの話を伺っていると、今回の大船渡訪問からは多くのことを学んだことが伝わってきました。地域の人々が協力して活動している姿を見れたこともよかったですし、農園、新聞のブローチ、手芸など、ネパールに帰ってすぐに取り組める具体的なことを見れたこともよかったです。
加えて、訪問の後、この日のように振り返りの機会をもうけることも大切だと感じました。自分が何を学んだか話すことは、学びの経験を共有することにもなると思います。

Ibashoネパールのメンバーを受け入れてくださった漁協、災害公営住宅、仮設住宅、そして、「居場所ハウス」の方々には準備や当日に対応などの負担をおかけしてしまいましたが、自分たちの活動が海外からも興味を持たれており、海外の方にとって参考になることを実感することで、結果として自分たちの活動に対する自信、自分たちの地域に対する誇りにつながっていればと思います。
被災地支援、開発途上国の支援というと大きな話のように思いますが、それは、今回のように具体的な顔の見える関係を築くで既に始まっているものなのかもしれません。