『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

ボストンのPOPS:民有のパブリックスペース

アメリカ西海岸のサンフランシスコでは、建物の周りの広場(プラザ)、建物内のロビー、屋上など約80ヶ所がPOPOS(Privately Owned Public Open Space)、つまり、民有のパブリック・オープンスペースとして公開されており、都市を魅力的にしています。

アメリカ東海岸のボストンにも、POPS(Privately Owned Public Spaces)と呼ばれる場所があります。POPSは民有のパブリックスペースという意味。

PBDA(Boston Planning & Development Agency)の「Privately Owned Public Spaces (POPS)」のページでは、POPSが次のように紹介されており、サンフランシスコのPOPOSと同様の場所であることがわかります。

「POPSは、BPDA(Boston Planning & Development Agency)による開発レビューのプロセスを通して設置される、民間が所有し管理するスペースであり、ここでは一般の人が楽しむように奨励され、招待されます。これらのスペースには屋内または屋外で、広場(Plazas)、緑地、中庭、歩行者用の接続道(Pedestrian connections)、ハーバーウォーク(Harborwalk)のエリアがあります。」
*PBDA「Privately Owned Public Spaces (POPS)」のページの記載の翻訳

ページにはPOPSのマップが掲載されています(ただし、全てのPOPSを網羅するものではないという但し書きがつけられています)。
マップに掲載されているPOPSは45ヶ所で、その内訳は以下の通りです。

  • ハーバーウォーク(Harborwalk):25ヶ所
  • 広場(Plaza):7ヶ所
  • 緑地:4ヶ所
  • 屋内:3ヶ所
  • 歩行者用の接続道(Pedestrian connections):2ヶ所
  • 工事中:4ヶ所

マップには全てのPOPSが掲載されているわけではないため、正確な割合は不明ですが、ボストンのPOPSにはハーバーウォークが多いことが伺えます。マップを見ると、特にボストン東部のウォーターフロント、フォートポイント運河沿い、そして、イノベーション・ディストリクト(サウスボストン北部)のウォーターフロントに、POPSが連なっています。

写真はフォートポイント運河沿い、イノベーション・ディストリクトのウォーターフロントにもうけられたハーバーウォーク(Harborwalk)。POPSになっているハーバーウォーク(Harborwalk)にはベンチ、テーブル、芝生の広場などが連なっています。この日は曇りで、風も強い寒い日だったためかハーバーウォークで過ごしている人は少なかったですが、散歩をしたり、ジョギングをしたりしている人を見かけました。

コンテポラリーアート美術館(ICA:The Institute of Contemporary Art)。ディラー・スコフィディオ+レンフロ(Diller Scofidio + Renfro)の設計で、ハーバーウォーク(Harborwalk)2006年に開館。建物は海に向かってせり出すような形態になっており、大屋根の下には階段状のテラスが設けられています。コンテポラリーアート美術館周囲のハーバーウォーク(Harborwalk)もPOPSとされています。