『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

アジアン・トリニティーと大根コンプロジェクトによるコンサート@居場所ハウス

今日(2017年7月16日(日))、「居場所ハウス」にてアジアン・トリニティーによるピアノとヴァイオリンのコンサートが開催されました。

アジアン・トリニティーは東日本大震災後、被災地をまわってコンサートをされている方で、大船渡訪問は今回で6回目だとのこと。今までは仮設住宅の集会所等でコンサートをされていましたが、高台移転が進んでいることから、今回は仮設住宅以外でコンサートをされているようで、その1つとして「居場所ハウス」を選んでくださいました。

姉の茉莉(まり)さんがピアノを、妹の莉紗(りさ)さんがヴァイオリンを演奏。1曲目は「愛の讃歌」、2曲目は映画ゴッドファーザーの「愛のテーマ」、3曲目は「ある愛の歌」。

3曲演奏した後、茉莉さんが、東日本大震災の被災地でコンサートを行うようになったきっかけを話してくださいました。アジアン・トリニティーは現在は姉妹2人で活動されていますが、以前はもう1人、ヴァイオリンを弾く三女を含めた3人で活動していたとのこと。しかし、三女は2008年に交通事故でなくなった。なぜ、自分たちがこんな目に合わないといけないのだろうと打ちひしがれ、演奏を止めようと思ったこともあった。けれども、演奏をやめたら妹が悲しむだろうとの思いで、演奏を再開されたという話でした。
2011年に東日本大震災が起こり、自分たちと同じ気持ちの人がたくさんいる。でも、自分たちにできることは演奏すること。このような思いから、東日本大震災の被災地をまわってコンサートを続けてこられたとのこと。
コンサートを始めて何年かが経過した頃、ある仮設住宅で「最近は、ボランティアにくる人が減ってきた。東京の人は、東北を忘れてるんじゃないか」という高齢の女性の話を耳にしたとのこと。その時、アジアン・トリニティーは10年間来ますと約束された。茉莉さんはこのような話をしてくださいました。

演奏が再開。4曲目は葉加瀬太郎作曲の「情熱大陸」。5曲目は、茉莉さん・莉紗さん姉妹の母親でJAZZの歌手でもある「たんぽぽ」さんが「サマータイム」を披露してくださいました。
6曲目はピアノとヴァイオリンの演奏に合わせて、みなで「赤とんぼ」を合唱しました。この後、アンコールということで「上を向いて歩こう」を皆で合唱。

演奏が終わった後、時間のある方が残り、お茶を飲みながら話をしました。上に書いた通り、アジアン・トリニティーはこれまで仮設住宅の集会所等でコンサートを続けてこられました。以前、仮設住宅にお住まいだった方も何名かこられており、久しぶりの再会。仮設住宅の頃の話や近況報告など、話をされていました。

今日のコンサートは、大根コンプロジェクトのコーディネートで開催されました。大根コンプロジェクトは、岩手県平泉町を拠点とし、震災直後から食料提供などの活動を続けてこられたグループです。
コンサートの最初に皆で「大根コン」の歌を歌い、また、コンサートに来られた方には大根のブローチ、手作りの栞、そして、平泉町の弁慶力餅をプレゼントしていただきました。ブローチ、栞は今回、被災地には来れなかった方々が、被災地のことを思って作ってくださった作品です。