近年では、日本の各地にコワーキング・スペース(Co-working Space)が開かれています。コワーキング・スペースの発祥地のはサンフランシスコだとされています。
サンフランシスコで比較的最近開かれたコワーキング・スペースに「Covo」があります。
Covoは「どのように仕事をするかだけでなく、どうやってよりよく生活するかを考えた最初のコワーキング・スペース」。コーヒーショップ、カフェ、バー(Tap Room)があり、「仕事をする人がホーム(自宅)と呼べるような空間を作り出すことによって、コワーキングを前に進めていくこと」を理念に掲げて開かれた場所です*1)。現在、サンフランシスコのSoMa(South of Market)地区、セントルイスのダウンタウンの2店舗が開かれています(Covoの詳細はこちらの記事もご覧ください)。
Covoには以前も訪れたことがあったのですが、少し前にも訪れる機会がありました。今回の訪問で気づいたことを改めてご紹介します。
Covoに到着したのは金曜の16時半頃。この時点では、共用のラウンジは大半の席が埋まっていました。ノートパソコンで作業している人が大半でしたが、テーブルで打合せをしている人、ソファで話をしている人も見かけました。
Covoはスタートアップの人が多く利用しているようです。ラウンジにいる人は20〜30代に見える人が多く、きちんと数えたわけではありませんが3〜4割が女性だったように感じました。
Covoでは次の料金プランが提供されており、メンバー登録し月ごとの利用料を支払って利用するだけでなく、メンバー登録することなく1時間4ドルで、ドロップインとして利用することも可能です。
- Hourly Coworking:4ドル/1時間
- Open Seating:419ドル/1ヶ月
- Dedicated Desk:569ドル/1ヶ月
- Private Office:819ドル/1ヶ月
1時間4ドルのHourly Coworkingによるドロップインと、1ヶ月419ドルのOpen Seatingのプランでは専用の席はなく、ラウンジを利用することになります。ラウンジは天井の高い広々とした空間で、様々な形・高さのテーブルが並んでいます。テーブル、壁際にコンセントがあり、電源の心配はいりません。もちろん、WiFiも利用可能。
今回の訪問で気づいたのは、ノートパソコンをスタンドに載せて作業している人を何人も見かけたこと。上で紹介した通り、ドロップインとOpen Seatingのプランでは固定席がなくラウンジを利用するため、必然的にノートパソコンでの作業となります。しかし、ノートパソコンをスタンドに載せて、マウスとキーボードを接続すれば簡易的なデスクトップパソコンに。
固定席がなくても仕事をしやすい環境を作り出すための、利用者による環境のしつらえです。
もう1つ気づいたのは、お酒を飲んでいる人がいたこと。訪れたのが週末だったためか、16時半頃に到着した時、既にバー(TLC=Tap Lounge at COVO)の周りでは15〜20人ほどがビールやワインを飲んで話をしていました。
ラウンジで作業をしている人の中にも、バーで購入したビールを隣に置いて作業をしている人も。17時過ぎには、持ち込んだワインのボトルを開けて飲み始めるグループも何組か見られるようになりました。通常のオフィスのように17時にチャイムがなることはありませんし、周りではまだ作業をしている人もいます。
この時間帯、ラウンジは作業している人、お酒を飲みながら作業している人、お酒を飲んでいる人が居合わせる場所に。
上で紹介したようにCovoでは「仕事をする人がホーム(自宅)と呼べるような空間を作り出す」ことが目的とされていますが、お酒を飲みながら話ができる場所というのも、これが実現された1つの光景だと言えるかもしれません。
参考
- *1)Covoのウェブサイトの「Covo Sf」のページより。